【セミナーレポート】顧問料アップと業務効率化を同時に実現する方法

【セミナーレポート】顧問料アップと業務効率化を同時に実現する方法のアイキャッチ

増え続ける税理士に対して、その顧問先となる中小企業は減少の一途をたどっています。そんな価格競争に陥りがちな税理士業界の中でも、志田俊介さんは相場よりも高い顧問料を維持することに成功しています。

志田さんの顧問先が、安くない顧問料に納得しているのはなぜなのでしょうか?この点も含め、顧問料アップを実現する方法を探るべく、いい税理士協会は10月26日、「上級会員の志田俊介氏が語る!『顧問料アップ』と『業務の効率化』を同時に実現するための秘策!」と題したオンラインセミナーを開催しました。ここではセミナーの模様をレポートします。

3つのプランから成る料金表を活用する

「顧問料アップのためには、第一に料金表が大切です」。そう語るのは、いい税理士協会の上級会員である志田俊介さん(志田俊介税理士事務所 代表)です。志田さんが使う料金表には、多くの税理士が使う一般的な料金表とは異なる点があります。

税理士業界で広く使われているのは、顧問先の売上高などと連動する形で価格が決まる料金表です。それに対して志田さんは、次の3つから成る料金表を使います。

(1)税務顧問プラン
(2)財務コンサルタントプラン
(3)社外CFOプラン

顧問先に対して志田さんが果たす役割に応じて料金が決まる形です。(1)は税務申告や記帳代行といった、従来型の税理士業務を主体とするもの。(2)は(1)に加え、資金繰り支援や金融機関との折衝も含む財務コンサルティングを提供するもの。(3)は主に上場企業に向けて、社外CFO(最高財務責任者)として経営支援サービスを提供するもの。志田さんはサービスが充実している分、一般の顧問料相場よりも割高である(2)を推奨し、ほとんどの顧問先がその提案を受け入れるそうです。

志田さん記事_丸アイコン志 田
(2)のプランはお客様にとって安い顧問料ではありません。それでも、財務支援を含むサービスの内容を説明すると、ほとんどのお客様に納得していただけます。

自身の事務所がうまく行っていないと顧問先に正しいサービスを提供できない、という信念を持つ志田さんは、あえて高めの料金設定にして手厚いサービスを心がけているのです。

良質なサービスを提供し、高い水準の顧問料を維持するには、自身の日々の業務の効率化が欠かせません。志田さんは業務効率化の目的を「お客様も自分自身も楽になり、熱量を高めてコミュニケーションに多くの時間を割けるようにすること」と説明します。

例えば志田さんが普段から使っている会計サービス「A-SaaS(エーサース)」には、A-SaaSコネクトという自動仕訳機能が備えられてます。この機能はクレジットカードやインターネットバンキングなどの取引明細を一括で取り込み、記帳を自動化するものです。志田さんは業務効率化の一環として、A-SaaSコネクトをすべての顧問先に導入してもらっているそうです。そのうえで、例えばインターネットバンキングを導入していない顧問先に対して、志田さんはそのメリットを説明するだけでなく、導入までをサポートすると言います。

志田さん記事_丸アイコン志 田
狙いはお客様と我々の業務を効率化し、捻出した時間で有意義なコミュニケーションを取ることにあります。お客様との対話を重視する我々は、A-SaaSコネクトをはじめとするITツールを活用し、帳簿を作る時間を可能な限り省力化しているのです。

補助スタッフも含めて稼げる業界にしたい

このように徹底して業務効率化を進めた結果、時間を捻出することに成功して顧問先への手厚いサポートが可能になったと話す志田さん。こうしたプラスのスパイラルをより強固なものにしたいのには訳があります。

志田さん記事_丸アイコン志 田
税理士業界を、税理士ではないスタッフも含めてしっかり稼げる業界にしたいのです。十分な給与をもらい、十分な余暇を過ごせる業界になるよう環境整備を進め、『入って良かった』と思えるようにしたいんです。そのためには、やはり手間のかかる仕事を安く請け負う状況から抜け出さなければなりません。

税理士事務所に勤務していた時代には、タダ働きに近いことも経験したと言う志田さん。AI(人工知能)に代替されることが懸念される税理士業界にあって、税理士および補助スタッフの地位向上を大きな目標の一つにしているのです。そうしなくては、AIに代替されるどころか人手不足で自滅していく一方ではないか、という強い懸念を持つためです。

自分自身の時間給を念頭に置き業務に臨む

さらに、事務所の利益を拡大するために意識すべき点として、「自分が1時間働いたら顧問先からいくらもらわなければならないか、すなわち1時間あたりの売上高を念頭に置くこと」を志田さんは挙げます。これを意識しておかないと、新たな仕事が来た時にすぐに料金を提示することができないのだと言います。

志田さん記事_丸アイコン志 田
私たちは税務や財務について訓練を受けたプロフェッショナルです。お客様が1日かかる仕事を自分が1時間で終えたら報酬はいくらが妥当なのか、正当に主張すべきです。そのことも含めて最初の料金交渉の時にきちんと示しておけば、お客様にも納得していただけます。

業務の効率化を徹底して進め、顧問先から相談があった時のために時間を取れるようにすること。そして付加価値の高い自身の仕事に対しては、正当な対価を求めること。志田さんの主張はこの二点に集約されます。

そのためには「恐れずにITツールを活用することが大切です」と語る志田さんは、今年で開業3年目。この間、顧問先からの解約件数はゼロをキープし続けています。

志田さん記事_丸アイコン志 田
顧問料を値引きするのは簡単ですが、結果的にそれはお客様をないがしろにすることにつながりかねません。合理化を進めることで創り出した時間でお客様に手厚いサービスを提供し、成果に見合った顧問料をいただく。それがお互いに納得できる関係を作る第一歩だと思います。

*  *  *

自らの事務所がうまく行っていないと、顧問先に対して正しいサービスを提供できない――。志田さんがこの境地に達したのは、勤務時代に薄利多売型のスタイルも経験したからです。その頃に比べると「毎日、子供とお風呂に入る時間も取れて、とても恵まれた環境を得られています」と語る志田さん。業務を効率化したうえで正当な対価を得ることは、ワークライフバランスの向上にもつながっているようです。

今回のセミナーは、経営参謀として経営者に伴走する「いい税理士」の輩出を通して、中小企業が躍動する社会を目指すいい税理士協会が主催したものです。協会のホームページでは、ここで紹介したセミナーなどの情報を随時更新しています。

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