多くの中小企業のニーズに応える!「社外財務部長サービス」とは
「社外財務部長サービス」という言葉を聞いて、みなさんはどんなサービスを思い浮かべるでしょうか。「社外取締役や社外CFOなら知っているけど、社外財務部長とは聞き慣れないな……」という方もいらっしゃるかも知れません。
従来の会計事務所の仕事はAI(人工知能)に代替される、とよく言われています。そのような状況において、「いい税理士」となるために、会計事務所が取り組むべき「社外財務部長サービス」とは一体どのようなサービスなのか。
今回はその内容について掘り下げていきたいと思います。
今、会計事務所に求められる「社外財務部長サービス」とは?
社外財務部長サービスとは、会計事務所が中小企業に提供する財務サービスのひとつです。
平たく言えば、税理士あるいは会計事務所のスタッフが、財務部長という立ち位置で、「社外」から顧問先の資金繰りを支援していくものになります。
この先、顧問先の資金がどのように推移していくのか、資金がショートしてしまう可能性がないか、等を常にウォッチします。そして、資金を増やすための打ち手を経営者と一緒に考えていきます。それが社外財務部長サービスです。
社外財務部長は、社外取締役のように会社法上の義務が課せられることはありません。また、社外CFO(最高財務責任者)のように、経営の視点まで求められるわけでもありません。
しかし、「財務部長」という言葉が示す通り、キャッシュ(資金繰り)に関しては、責任を持たなくてはなりません。経営者に資金繰りに関する適切な情報を提供し、経営者と一緒にキャッシュを増やすための打ち手の検討に取り組んでいくことが求められます。その役割を社外財務部長が果たしてくれれば、経営者は「経営者にしかできない仕事」に集中することができるのです。
経営者が「自分にしかできない仕事」に専念するためには、実際に財務部長や経理部長を正規雇用するという手がないわけではありません。しかし、人も資金も限られる中小企業においては、財務・経理部長に相当する人材を採用し、配置することは簡単なことではありません。
資金繰りを始め、事業継続に欠かせない財務領域を会計事務所が担うことは、中小企業の経営支援の中でも、最も価値があるサービスの一つであるといえます。
社外財務部長サービスの提供価値とは?
「経営者が安心して経営の仕事に専念できる」
これが、社外財務部長サービスが顧問先に提供する一番の価値です。それでは、この価値は、経営者にとって一体どんな恩恵をもたらすのでしょうか。
まず、経営者自身が資金繰りのために割いていた時間を、事業推進や組織運営などの、経営者本来の仕事に充てることができます。しかも、自分の代わりに資金繰りを見てくれるのは、自社の会計状況を把握し、数字にも強い会計事務所の税理士やスタッフです。これ以上に心強い味方はいません。その結果、日々の資金繰りに気をとられることなく、安心して自らの仕事を経営に集中させることができるのです。
さらに、コスト面でも恩恵を受けることができます。社内で財務部長を正規に雇おうとすると、少なくとも月30~40万円の人件費がかかるのではないでしょうか。しかし、会計事務所に社外財務部長を任せるのであれば、通常の顧問料に、月額数万円を加えることで、その恩恵を受けることができます。
そして、社外財務部長としての役割を果たすことは、会計事務所にとっても大きな意義があります。
税務代理や記帳代行といった従来の会計事務所のサービスと、社外財務部長サービスとの一番の違いは、経営者の最大の関心事である「将来のキャッシュの話ができる」という点にあります。
経営者の最大の関心事に寄り添えるサービスを提供することで、これまで以上に顧問先との深い信頼関係を築くことができるはずです。
会計事務所が社外財務部長の役割を担うべき理由
会計事務所には、社外財務部長サービスを提供すべき理由があります。
それは、中小企業の「会計」を任されている、からです。
「会計」は、お金の出入りを記録し、管理することが仕事です。いわば会社の「過去・現在」を扱います。一方で、「財務」は資金繰りなどの今後の運用を決めることが仕事、つまり「未来」を扱うことになります。「未来」を見通すためには、「過去・現在」を把握することが必須です。
中小企業からの信頼を受け「会計」を任されている立場にあるからこそ、会計事務所は社外財務部長として、キャッシュに関する「未来」を見通し、中小企業の経営を支えなくてはならないのです。
この記事をシェアする