経営者たれ!「いい税理士」が乗り越えるべき事務所経営の課題とは

「いい税理士」座談会in大阪 by Lanchor(ランカー)

今回は、「いい税理士」の活動を支えるためにMikatus(ミカタス)が提供している、「キャッシュ・イズ・キング」を導入いただいている税理士さんにお集まりいただき座談会を開催しました。
中小企業の財務カルテ「キャッシュ・イズ・キング」は、ボタン一つで顧問先の未来のキャッシュフローを予測し、経営者といっしょにキャッシュを増やすための打ち手を検討できる、会計事務所のためのクラウドツールです。
「キャッシュ・イズ・キング」を導入している税理士のみなさんには、事務所経営に関する共通の課題があるようです。みなさんは、いったいどのような課題に向き合っていらっしゃるのでしょうか。

導入目的から見えてくる事務所経営の課題

「キャッシュ・イズ・キング」をはじめとするクラウドサービスはツールにすぎません。あくまでも「手段」であって、ただ導入すれば効果が得られるというものではありません。
何かを達成するために、もしくは、何かを解決するための手段として導入するのがツールです。そのため、ツールを導入するための「目的」や「ゴール」を明確にする必要があります。裏を返せば、ツールを導入している方の多くが、何らかの課題を抱えているといえるのです。
そこで今回は、大阪にて「いい税理士」座談会を開催し、「キャッシュ・イズ・キング」を導入した目的についてお話を伺いました。合わせて、実際にどのような顧問先に対して、「キャッシュ・イズ・キング」を活用したサービスを提供しているのかについても伺うことができました。

▼ご参加頂いたみなさま ※五十音順

氏名 事務所名/会社名 事務所所在地
伊原 裕伸 様 甲南会計事務所 兵庫県
田中 常彦 様 田中常彦税理士事務所 大阪府
板東 学  様 公認会計士税理士
板東卓一事務所
大阪府
森本 琢磨 様 税理士法人森本会計 大阪府

会計事務所によって規模や体制も様々ですし、顧問先に提供するサービス内容も違います。そのため、「キャッシュ・イズ・キング」の具体的な導入理由や背景は事務所によっても異なります。
しかし、座談会にご参加いただいたみなさまの導入目的を大別すると、次の2つに纏めることができます。

①顧客への提供価値を高め、他の事務所との差別化を図りたい
②スタッフの成長やモチベーションの向上

そしてこの2つは、「キャッシュ・イズ・キング」を導入しているかどうかに関わらず、多くの税理士さんや会計事務所が直面している課題でもあるのではないでしょうか。

いい税理士座談会風景 by Lanchor(ランカー)

顧客の声に耳を傾け、いかに差別化していく

税金計算や記帳代行といった会計事務所のこれまでの主要サービスは、AIの進歩や自動化の発展によりその価値が下がってきています。座談会に参加されたみなさんも、日々顧問先の経営者と接する中で、危機感を感じていらっしゃるようです。
これから先、会計事務所が生き残っていくためには、中小企業のニーズに応える付加価値の高いサービスが必要になります。顧客、つまり経営者が何を求めているのかを常に考えていかなくてはいけません。

田 中
試算表を作成して持参しても、興味を持っていただけない経営者の方は多いです。正直、温度差を感じていました。その温度差が何なのかを突き詰めていくと、「経営者は未来の話をしたいんだ」と気づきました。それが、経営者が求めているものだと。

経営者が求める「未来の話」のうち、「キャッシュ(現金)」は多くの経営者にとっての最大の関心事です。だからこそ、資金繰りを支援することが差別化につながります。

板 東
試算表や申告書を作るだけなら、どの税理士がやっても変わりはありません。そこに危機感を感じていました。とにかく差別化が必要だと考えていました。資金繰りまで面倒を見てくれる会計事務所はそこまで多くありません。税金のことだけでなく、資金の動きまで見てくれるのであれば、経営者にも価値を感じてもらえるのではないかと思います。

「このまま行くと危ない!」という気づきを経営者に与える

では、なぜ「キャッシュ・イズ・キング」は事務所の差別化に効果を発揮するのでしょうか。座談会で見えてきたのは、「経営者に気づきを与えられる」というポイントです。
ボタンをクリックするだけで、1年先の資金予測がグラフで瞬時に表示されるのが「キャッシュ・イズ・キング」の特徴です。数字の羅列ではなく、見た目にもわかりやすいグラフで未来の現金座高の推移が表示されるため、経営者が前のめりになって話を聞いてくれるそうです。

キャッシュ・イズ・キングの特徴

特に有効なのが、お金に無頓着な経営者にも「このまま行くとウチは危ない!」という気づきを一瞬にして与えられることだといいます。

板 東
経営者の中には、資金繰りに無頓着な方もいます。お金のことは奥さんに任せて、営業や接客だけをやっている。そういう会社は、知らないうちにお金が無くなってしまい、倒産寸前になって会計事務所に相談に来ます。しかしそれでは打てる手が限られてしまいます。なるべく早いタイミングで危機に気づいてもらうことができれば、色んな対策を講じることができます。経営者にも喜ばれると思います。

どれだけ口を酸っぱくして資金繰りの大切さを話しても、なかなか実感を持っていただけない。そのような経営者に対しても、お金(キャッシュ)の大切さをビジュアルで伝えることができ、かつ満足もしてもらえる。それが「キャッシュ・イズ・キング」が事務所の差別化につながる一番の理由のようです。

>>どのような顧問先に価値を提供しているのか伺った記事はこちら

スタッフにこそキャッシュの重要性を理解してほしい

経営者にキャッシュの重要性を理解してもらいたいと思う一方で、事務所のスタッフにも、キャッシュの重要性を理解してもらいたい。それが2つ目の導入目的である「スタッフの成長やモチベーションの向上」の背景にあります。
試算表や申告書を作ることが事務所スタッフのメインの業務になってしまっていて、「経営者にとって重要なものはキャッシュである」ということを、スタッフも認識できていないというのです。
経営者とのコミュニケーションの機会が多いスタッフに、いかにしてキャッシュの話をすることの重要性を理解してもらえるか。それが、事務所経営における課題の1つだといえます。

森 本
スタッフにも、キャッシュの重要性は分かってもらいたいです。経営者とコミュニケーションを取るためには、相手が関心を持つ話題を提供しなければなりません。「キャッシュ・イズ・キング」を使って、スタッフに経営者とコミュニケーションをとってほしい。それが一番の導入理由です。
田 中
「キャッシュ・イズ・キング」はスタッフにこそぜひ使って欲しいと思っています。顧問先の経営にとって最も重要な「キャッシュ」の動きを把握することで、「自分がこの会社を担当しているんだ」という意識を持ってもらえるのではないかと期待しています。
田中常彦様

未来のキャッシュの話ができれば、経営者も興味をもって話を聞いてくれる。経営者とのコミュニケーションが弾めば、スタッフのモチベーション向上につながる。そのキッカケとして「キャッシュ・イズ・キング」を活用したい。そんな想いがツール導入の背景にあるようです。
※「キャッシュ・イズ・キング」をどのようにスタッフに使ってもらうのか。深掘りして伺ったお話の詳細は、別記事にてお届けする予定です。

「いい税理士」は「経営者」でなくてはならない

導入目的や事務所の状況は様々ですが、「いい税理士」を志す4名のみなさんに共通していたことがあります。それは、「経営者」として事務所の課題を認識し、その解決に取り組んでいるということです。
事務所を構える以上、税理士も「経営者」です。顧客の満足度を高めるために、事務所の方針や提供サービスをどうしていくべきなのか。どうすればスタッフのモチベーションを高め、活き活きと働いてもらえるのか。「経営者」として考えなければならないことがたくさんあります。
今回の座談会では、とりわけ、スタッフに対するみなさんの想いを伺うことができました。

伊 原
スタッフは自分(スタッフ)の家族を守らなくてはなりません。そして、事務所の顧問先を守ってくれる存在でもあります。そんなスタッフさんを守ることが、自分の使命だと思っています。
板 東
スタッフは人生のほとんどの時間を、事務所の仕事に費やしてくれているわけです。ですから、一緒に協力して仕事してくれる人、というレベルではありません。事務所の宝です。
田 中
私がこの座談会に参加している間にもスタッフは事務所で仕事をしてくれています。彼女たちがいてくれるからこそ、私も活動できます。長きにわたって働いてくれているスタッフは事務所の財産です。
森 本
大変な仕事をお願いしても、文句も言わずに取り組んでくれます。スタッフがいなかったら、うちの事務所はとっくに潰れています。えらいなぁといつも感謝しています。

事務所として中小企業の経営に貢献する「いい税理士」には、想いを共にしてくれるスタッフの存在が欠かせません。しかし、雇用する・されるだけの関係では、想いを共有することは難しいのではないでしょうか。
スタッフが事務所にとってどのような存在なのか、スタッフにどうなってほしいのか。それをとことん考え抜くことが、「経営者」としての「いい税理士」に求められる大切な使命だといえるでしょう。

いい税理士座談会 集合写真

今回の記事だけではお伝えできない内容は、別記事にて今後お届けする予定です。ぜひお楽しみに。

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