スタッフの人財価値を磨きあげることが、代表税理士の務め
税理士も、事務所の代表者となれば、立派な「経営者」です。そして、事務所スタッフの人財としての価値を高めることは、経営者の大事な役割の一つです。
特に、事務所として中小企業の業績アップに貢献する「いい税理士」にとっては、一緒に働いてくれるスタッフの成長をサポートすることが欠かせません。
スタッフの成長のためにこそ、Mikatus(ミカタス)が提供する中小企業の財務カルテ「キャッシュ・イズ・キング」を活用したい。それが、大阪で開催した「いい税理士」座談会にご参加いただいたみなさんの考えでした。
では、「キャッシュ・イズ・キング」を活用して、どのようにしてスタッフの成長と人財価値の向上を実現しようとお考えなのでしょうか。
経営者とコミュニケーションを取れるようになってほしい!
スタッフの成長をサポートするためには、まず「スタッフにどうなってほしいのか?」という代表税理士としての想いを明確にしておかなくてはなりません。
ゴールが見えていなければ、スタッフもどこに向かって、何を頑張ればよいのかが分かりません。また、スタッフの中には「将来どうなりたいのか?」を自分で想い描くことが難しい人もいます。そういった人のためにも、代表税理士から目標を提示することが重要です。
大阪で開催した「いい税理士」座談会にお集まりいただいた4人のみなさんに共通していたのは、スタッフには経営者とコミュニケーションを取れるようになってほしい、という強い想いでした。
中小企業の経営者は、税理士との有意義なコミュニケーションの時間に価値を感じます。代表税理士だけでなく、事務所スタッフがその価値を提供することができれば、事務所としてより多くの中小企業に満足してもらうことができます。
また、コミュニケーション不足は顧問先が離れていくリスク要因にもなりえます。座談会の中でも、10年以上にわたり顧問契約を継続していたにも関わらず、突然、理由も伝えられずに契約を解除されてしまったというお話がありました。
その顧問先を担当していたスタッフに原因を聞いてみても「原因はわからない…もしあるとしたら、経営者とのコミュニケーションが不足していたのかもしれない…」とのこと。
顧問先との契約が無くなってしまうと、事務所の売上が減少します。しかし、それ以上に事務所にとって損失なのは、担当していたスタッフのモチベーションが低下してしまうことです。
長年付き合ってきた顧客との契約が無くなってしまったことで、そのスタッフさんもかなりのショックを受けたそうです。スタッフにそんな経験をさせたくないという代表税理士の想いが、「経営者とコミュニケーションを取れるようになってほしい!」という考えの背景にあるようです。
キャッシュを切り口に経営者の信頼を勝ち取る
代表税理士のみなさんは、同じ「経営者」という共通点があるため、顧問先の経営者とスムーズに意思疎通を図ることができます。
一方で、事務所のスタッフは働く対価として給料を受け取る会社員。働く目的や考え方、リスクの大きさなど、様々な点で経営者とは異なります。事務所スタッフが経営者と有意義なコミュニケーションをとるためには、この大きな溝を越える必要があります。
溝を越えるキッカケの一つに「キャッシュ・イズ・キング」を使いたいというのが、座談会に参加されたみなさんの考えです。
「キャッシュ・イズ・キング」を使うことで、経営者の最大の関心事であるキャッシュ(現金)の話を通して、スタッフと経営者がより密なコミュニケーションを取れるようになるといいます。
将来のキャッシュについて話をすることができれば、過去の数字の報告をするだけでは聞かせてもらえなかったような、経営者の深い話も引き出すことができます。
「社長から頼りにされている」と感じることで、スタッフのみなさんも「もっと役に立ちたい!」というモチベーションにつながるのではないでしょうか。
スタッフの価値を高めるのはツールではなく代表税理士
一般的に、「キャッシュ・イズ・キング」などのITツールを導入するメリットは、事務所内における業務の効率化や標準化にあります。つまり、サービスの質を標準化することによって、誰もが同じようにサービスを提供できるようになる点にメリットがあります。
実際のところ、「キャッシュ・イズ・キング」についても、誰でも顧問先に対して資金繰りに関するサービスを提供することができるようにする、という思想で開発されています。
誰がボタンを押しても、「キャッシュ・イズ・キング」が出力するグラフは同じ形をしています。誰が操作をしても、経営者の興味を引き付けることはできます。
しかし、そこからどんな話をして、経営者の質問にどのように応えるのか。それこそが「キャッシュ・イズ・キング」を通したコミュニケーションの本当の価値です。経営者に信頼してもらえるのかどうかは、経営者と対面しているスタッフの人間性や、顧問先に対する熱い想いに大きく左右されます。
だからこそ、スタッフはコミュニケーション力を高め、人間性を磨く必要があります。そして、そのためにでき得る限りのサポートをするのが経営者としての代表税理士の務めである、というのが座談会での結論です。
AIに仕事を奪われるともいわれる税理士や会計事務所のスタッフは、AIには代替されない価値を磨いていく必要があります。経営者の想いに寄り添ったコミュニケーションや人間性は、AIには提供することができない価値の一つではないでしょうか。
事務所として中小企業の業績アップに貢献するために、スタッフの成長をサポートし、スタッフの人財としての価値を磨くためのサポートをすることが「いい税理士」には求められます。
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