「税理士はサービス業である」 27歳で開業の若手が未経験者採用にこだわる理由

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業界未経験者を積極的に採用したり、顧問先に対して動画コンテンツを定期的に配信してロイヤルティの向上を図ったり、特筆すべき施策を実行して存在感を高めている税理士事務所があります。27歳で開業し、今年32歳を迎える児玉洋貴さんが代表を務めるALEX会計事務所です。そんな児玉さんに人材採用や育成、顧問先との関係強化をテーマに話を伺いました。

中小企業の"真のパートナー"として

かつては大手監査法人やコンサルティングファームに所属し、会計士やコンサルタントとしてキャリアを重ねてきた児玉さん。上場企業を相手にする仕事に魅力を感じながらも、「これが本当に自分のやりたいことだろうか」という違和感を払しょくできなかったと言います。

大企業の経理部のスタッフと接する中で、「いずれは会社を変えるような大きな提案がしてみたい」「会社全体にインパクトを与えるような仕事がしたい」という思いが強くなっていったのです。

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税理士の道を選んだのは、前職で得た財務の知識と経験を武器に、企業の業績向上に貢献したいという思いがあったからです。上場企業の一部門を支えるよりも、中小企業の社長のパートナーとして、経営の意思決定に関わっていくことのほうが、自分のやりたいことに適っていると感じたんです。

大手コンサルティングファームを辞したあと、会計事務所での勤務を経て、現在代表を務めるALEX会計事務所を開業したのは27歳の頃。顧問先がゼロ件の状態からのスタートだったにもかかわらず、立ち上げから程なくしてWebサイトでの顧客獲得に成功。それ以降は関係の深い顧問先からの紹介を中心に顧客数を増やしてきました。

そんな順風満帆だった児玉さんがはじめて壁にぶつかったのは、スタッフを増やそうと思った矢先のこと。自身が掲げる方針にマッチする人材がなかなか確保できず、事務所の規模拡大が暗礁に乗り上げそうになったのです。

前職での経験を活かし、顧客に付加価値の高いサービスを提供しようとする児玉さん。そのやり方に賛同するマインドを持った人材は、そう簡単には見つからなかったのだとか。

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小所帯なだけに経験者を優先的に採用するのですが、いずれも長く勤めてもらえませんでした。税理士はサービス業だと私は考えています。サービス業であることを自覚してお客様と接する方でないと、我々と同じ方向に進むことはできないんだと思います。

「中小企業の"真のパートナー"として」をビジョンに掲げるALEX会計事務所は、こうした経緯で経験者採用に見切りをつけ、未経験の人材を一から育てていく方向へ大きく舵を切ったのです。

人材育成のカギはマニュアルによる業務の標準化

では、児玉さんはどんなタイプの未経験者を採用し、どんな育成プログラムを実施しているのでしょうか?キーワードとして挙げられるのは、事務所のビジョンに対する共感とコミュニケーションスキルです。

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大前提として、税理士はサービス業だという考えに賛同してくれる人でなければなりません。そのうえで、採用に当たってはコミュニケーションスキルの高さを重視します。コミュニケーションスキルは、教えれば伸びるというものではありません。将来、お客様から悩みを聞いたりビジネス上の課題を一緒に解決していったりするうえで欠かせないものです。事務所のビジョンに共感し、なおかつ高いコミュニケーションスキルを持つ人なら、業界未経験でも比較的短い期間で戦力になってくれるんじゃないかと思ったんです。

採用した人材の育成に関しては、業務マニュアルや各種のテンプレートを活用することで、早期の独り立ちを目指してもらうのがALEX会計事務所の方針です。

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簿記2級を取得するまでは市販のテキストで勉強してもらいます。並行して書類作成や仕訳などの実務にも当たってもらうのですが、未経験者が戸惑わないように業務マニュアルやテンプレートなどを用意して作業の標準化を図っています。例えば自動車を購入した時の支払い項目はこれとこれ、といったことが一目でわかるような作業手順書を使っています。一方で、簿記や会計のことだけわかっても経営者と話をするには不十分なので、財務や労務、人事、会社法などについては丁寧な研修をするよう心がけています。

こうした取り組みの結果、未経験者採用を始めてからわずか1年半ほどで、顧問先対応を任せられるスタッフが育ってきているそうです。もともと他業種で社会人経験を積んでおり、なおかつサービス志向の強い人材が入ってくるだけあって、経営相談を含む付加価値の高いサービスを提供できるようになるまでに、それほど時間はかからないのだと児玉さんは話します。

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もちろん、カルチャーフィットせずに辞めていく人もいます。それでも経験者採用にこだわっていた頃に比べると、スタッフの定着率や成長スピードは確実に上がってきています。我々のビジョンに心から共感してくれるスタッフだけが残るので、結束力や一体感では他の事務所に負けないと思います。

>>「いい税理士」が実践する 採用を成功させる4つのポイント

税理士のための動画配信サービス「L-MagaZine」

そんな児玉さんには、動画配信サービスを提供する株式会社iDOORの取締役というもう一つの顔があります。

児玉さんは顧問先に対して、LINE(ライン)やChatwork(チャットワーク)経由で動画コンテンツを定期的に配信し、好評を得ています。iDOORでは、税理士をはじめとする士業向けに動画コンテンツを配信できるサービス「L-MagaZine(エルマガジン)」を提供しており、2021年9月現在、約30事務所の利用実績を持ちます。

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お客様に情報提供をするのは税理士として当たり前のこと。現在はコミュニケーションの手段がメールからLINEへ、お客様が望むコンテンツも文章から動画へ変わってきています。従来からの紙媒体やメールマガジンではお客様の変化に対応できないと思い、私は動画コンテンツを配信することに決めました。同じ課題を持つ税理士のみなさんに活用していただきたくて、L-MagaZineとしてサービス化したんです。

同サービスは、あらかじめ用意された動画コンテンツを「税務・会計・財務」「相続・生前対策」「人事・労務」の3カテゴリーから選択し、LINEもしくはChatwork経由で顧問先へ配信するというもの。各カテゴリーの動画コンテンツは毎月1~2本のペースで追加されるほか、オリジナルの動画コンテンツを作成・配信することも可能です。

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お客様との関係強化を図るには、定期的に話題を提供して「放ったらかしにしていませんよ」というメッセージを送り続けることが大切です。コロナ禍で訪問回数を減らさざるを得ない今だからこそ、お客様が興味を持つ情報を受け入れやすい形で提供する必要があるのだと思います。

夢は顧問先の社長らと海辺のホテルを経営すること

開業税理士として今年で6年目を迎える児玉さん。日頃の情報提供も含め、顧問先との関係強化に努めた結果、仕事もプライベートも分け隔てなく、生涯にわたって付き合っていきたいと思う顧問先が増えてきていると言います。

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飲食業や不動産業、内装工事、空間デザイナーなど、さまざまなお客様と公私を分けずに深く関わらせていただいています。将来はそういう方たちと一緒に、海辺でホテルをやりたいね、という話をしています。みんなで力を合わせれば、いつか本当に実現できるんじゃないかと思います。

税理士はサービス業である――。「顧客のリアル・パートナー」を旨とするコンサルティングファームで研鑽を積んだ持つ児玉さんだからこそ、この結論にたどり着いたのかもしれません。業界の常識にとらわれない若きチャレンジャーは、顧問先と同じ夢に向かって着実に歩みを進めています。

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