事務所は拡大するべき? 若手税理士がAI時代に知っておくべき経営術
「税理士はAIに取って代わられてしまう」
近年、税理士業界はこのように囁かれることが増えています。
日々多くのメディアで取り上げられているAI(人工知能)技術。次々と技術革新が起こる変化の激しい時代において、AIに代替されない税理士の価値とはいったい何なのでしょうか。そのヒントを探るべく、今回は若手税理士として未来を見据える、6名の税理士のみなさんに座談会形式でお話を伺います。
高齢化が進む税理士業界に求められる「若手の台頭」
今回お集まりいただいたのは、独立から数年という30~40代の若手税理士の方々。そもそも60歳以上が全体の半数以上を占めている税理士業界、一般的な業種と比べると非常に高齢化しているといえます。
人生経験豊富な税理士が多いことは頼もしい限り。ですがその一方で、最近では20代、30代で起業する経営者も増えてきています。経営者の若返りは、巡り巡って税理士業界にも求められてきます。税理士という仕事を若者にとって魅力的な職業にするためにも、若手税理士の台頭が求められているのです。
▼ご参加いただいたみなさま
事務所名 | 氏名 ※五十音順 |
---|---|
金森善太郎税理士事務所 | 金森 善太郎 様 |
齋藤会計事務所 | 齋藤 陽太 様 |
木口勇三税理士事務所 | 武市 真賢 様 |
梨本FP税理士事務所 | 梨本 博一 様 |
昼間税務会計事務所 | 昼間 隆弘 様 |
古市裕之税理士事務所 | 古市 裕之 様 |
若手税理士が考える、AI時代を生きるために必要なこととは?
未来を見据える若手税理士のみなさんは、今後の事務所経営についてどう考えているのでしょうか。お話の中から見えてきた1つの結論は、「いかに人間力で差別化するか」ということのようです。まずは、独立前に抱えていた葛藤等も踏まえて税理士を志したきっかけについてうかがいました。
経営者から求められていることを的確に捉え、より価値あるサービス提供を目指す。そのために、日々試行錯誤する姿が、お話からうかがうことができます。
>>若手税理士必読!最初のお客様が教えてくれた税理士の本当の使命とは
今どきの若手税理士は事務所を拡大したい?
独立して数年が経ち、顧問先にも価値を提供できている若手税理士のみなさんは、きっと「事務所をもっと大きくしていきたい」と思っているだろう。Lanchor(ランカー)はそんな野心を想像し、今回座談会に望みました。しかしお集まりいただいた6名のうち、4名の方は「今後も一人でやっていくつもり」とのこと。意外なご意見、その理由は一体どこにあるのでしょう。
事務所拡大を望まないのは、顧問先の経営者に、一人ひとりしっかりと向き合いたいという想いがあるからこそ。AIが普及する世の中で求められるのは、人だからこそ持ち合わせている「人間力」です。だからこそみなさん、税理士として、人として、そして自分として、経営者に自分らしく貢献したいという想いをお持ちだったのです。
同時に、事務所拡大した際に生じるスタッフのマネジメントについて、リスクを感じる声も上がっていました。
同じリスクを負うからこそ、経営者の悩みが見えてくる
一方で、2名の若手税理士の方は事務所を拡大したいと考えていました。その理由はどこにあるのでしょうか。規模を大きくすることで、得られる価値もあるようです。
人を雇うことには確かに様々なリスクがありますが、中小企業の経営者もそのリスクを負って従業員を雇っています。自分はリスクを取ってないのに、リスクを取っている社長にアドバイスすることはできません。自分も同じ悩みを抱えることで、本当の意味で経営者と悩みを共有することができ、一緒に解決していけるのではないかと思っています。
若手「いい税理士」こそ、「質」も「量」も追うべき
事務所を大きくする、しないに関わらず、みなさんに共通していたのは「お客様である経営者のために力を尽くしたい」という想いでした。限られた顧問先に対して、一人で質の高いサービスを提供するのか。スタッフと共にマンパワーを活かし、より多くの顧問先に価値を届けるのか。その選択に正解はありません。
Lanchor(ランカー)は、「いい税理士」が伴走することで幸せな中小企業が増える、と考えています。そのため、ぜひ事務所を大きくし、貢献できる顧問先や幅を増やしていただきたいと思っています。業界の未来を担う若手税理士のみなさまには、ぜひ質も量も高めていただき、税理士業界を、税理士という仕事を、より魅力あるものしていっていただきたいです。
若手「いい税理士」座談会の他にも、様々なテーマで座談会を開催しています。
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