【会計事務所200件を徹底調査】顧問先が獲得できるホームページの秘訣とは?
人々がサービスや商品を購入する際、事前にホームページ(以下、HP)で調べるのは当たり前になっています。会計事務所も例外ではありません。顧問税理士に毎月、数万円という安くない顧問料を支払う以上、信頼できる会計事務所なのか調べるのは当然のことです。
HPは、事務所のブランドイメージを守るうえで不可欠なものです。スタッフブログを通じて顧問先に向けて情報発信をしたり、SNSと連動させてコミュニティを形成したり、各事務所がHPの運営に注力しているのはそのためです。
Mikatus(ミカタス)株式会社は2022年4月、HPに力を入れている税理士事務所200件をサンプリングし、独自調査を実施。その結果、多くの会計事務所のHPに改善の余地がある、という結論に至りました。この記事では調査結果を示しながら、HPでの集客を成功させるためのヒントを考察します。
なぜ、会計事務所はホームページをおざなりにしてしまうのか
まず最初に調査したのは、税理士業界のHP所持率についてです。
Q.どのくらいの会計事務所がHPを所持しているのか?
2020年に総務省が調べた通信利用動向調査では、一般企業(常用雇用者100名以上の企業)のHP保有率は91%。一方、会計事務所のHP所持率は38%にとどまりました。一般企業と比較して税理士業界のHP所持率は大幅に低く、対応が遅れていることがわかります。
では、なぜ会計事務所はHPを所持すべきなのでしょうか?そこには開業後の営業方法が大きく関わっています。
開業後の営業方法について聞いたところ、紹介での顧問先獲得が88.5%、HPからの問い合わせが20.1%という結果に(複数回答可)。HPからの問い合わせの場合はもちろん、紹介での獲得の際にも「名刺代わりとしてのHPの存在」が重要であることは明らかです。
見劣りするホームページの5つの特徴
今回の調査では、以下に示す3つの観点から200以上の会計事務所のHPを調べ上げ、顧問先獲得のためにHPに求められる要素を探ってみました。
- 観点①:最新のHPと見比べても見劣りしないデザイン:パッと見て「ダサい」「見づらい」といった理由で読むのををやめられないデザイン性が必要
- 観点②:内容が読みやすく整理されている:最後まで文章が読まれるように、設計された構成が必要
- 観点③:行動を促す仕組み:読者の気持ちが高まっている瞬間に問い合わせができる導線が必要
まず「パッと見て読むのをやめられないデザインになっているかどうか?」について以下の5項目の判定基準を設定して調査しました。
<判定基準>
- デザイン:文字と画像のバランス
- ユーザビリティ:情報が整理されているか?
- テクニカル:レスポンシブ対応しているか?
- 事務所メッセージ:明確にメッセージがあるか?
- 更新頻度:更新されているか?
この結果、「見劣りしない」と判定されたのは41事務所で全体の20.5%、「見劣りしてしまう」と判定されたのは159事務所で全体の79.5%という結果になりました。後者のうち55事務所については長期間、更新されていないこともわかりました。
Q.パッと見て読むのをやめられないデザインになっているか?
この結果から、HPを読み進めてもらうためには、最新のHPと比較しても見劣りしないデザインが重要であることがわかります。
ホームページの改善で顧問先を簡単に獲得した成功事例
次に「読者目線で情報が整理されているか?」という点について、以下の基準で調査した結果、多くの事務所が及第点に達していないことがわかりました。
<基準>
事務所を選ぶメリットと事務所の特徴が明記され、問い合わせへの導線が明確である
読者目線で情報が整理されている事務所は15.5%にとどまり、整理されていない事務所は84.5%に上りました。当然、多くの人に読まれるのは前者です。
このことからも、書きたいように書くのではなく、訪問者が読みたくなるよう設計することが重要であることがわかります。
お金をかけずにホームページを改善する3つの秘訣
次に調べたのは、「問い合わせがわかりやすい位置に設定されているか?」です。これについては42.5%の事務所で「問い合わせの場所がわからない」という結果になりました。
問い合わせが見つからないということは、訪問者が仮にその事務所に興味を持ったとしても、顧問先として獲得できないことを意味します。
Q.問い合わせがわかりやすい位置に設計されているか?
税理士事務所に特化したホームページ作成サービスとは?
ここに示した結果からも、多くの会計事務所のHPはまだまだ洗練されているとは言えない状況であることがわかります。
HPはその事務所が「きちんとしたところ」だと認識してもらうためだけでなく、顧問先との関係強化や人材採用にも効果を発揮するものです。
今からHPの作成を始めても遅すぎることはありません。ここで指摘した点を踏まえ、HPの作成に着手してみてはいかがでしょうか?
※ Mikatus株式会社は2022年9月30日をもちまして、当社の完全親会社であるfreee株式会社と合併いたしました。
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