【独自調査レポート】税理士事務所のホームページに必要な内容とは

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スマートフォンやSNSの普及により、人々の購買までの意思決定プロセスが変わり、企業には新しいマーケティングが求められています。現在、購買・訪問・採用などの意思決定をする際にはインターネット上で事前調査をすることが当たり前になっています。

税理士事務所も例外ではありません。どのようなホームページにしていれば新規顧客獲得にプラスの影響が得られるのか。ホームページに力を入れている税理士事務所200件をサンプリングし、独自調査を実施しました。

事務所の強みを載せるのは当然のこと

まず最初に調べたのは、事務所の特徴や強みなど、読者に訴求したい内容を記載しているかどうか。

Q.事務所の特徴や強みなど、読者に訴求したい内容を記載している

これについては9割近い事務所が「記載している」ことがわかりました。記載することで狙える効果としては、以下のものが考えられます。

  • なぜこの会計事務所を選ぶべきなのかを訴求できる
  • 他の事務所と何が違うのかを訴求できる

一方、課題としては、以下のものが考えられます。

  • 税理士事務所の視点で何ができるのかを記載すると、読み手に伝わらないことがある
  • 読み手の視点でどんなメリットを受け取ることができるのかを訴求する必要がある

次に、事務所の強みと保有資格について調べたところ、以下のことがわかりました。

<事務所の強み>

  • 手厚いサポート:47.5%
  • 税理士本人の特殊性:16.5%
  • 〇〇専門:16%
  • 業務アウトソーシング:10.5%
  • 価格が安い:8.5%

<保有資格>

  • Freee:50%
  • MF:22%
  • 経営革新:21.5%
  • 弥生:6%
  • MBA:3.5%

「価格が安い」という点を訴求しているのは8.5%にとどまり、それよりも手厚いサポートや税理士本人のキャリアなどを売りにする事務所が多いことがわかります。

サービス内容としては開業および設立支援がトップ

続いて、事務所の提供するサービスとして、どのような取り組みを行っているか記載しているかどうかを調べたところ、以下の結果となりました。

Q.事務所の提供サービスとして、どのような取り組みを行っているか記載している

これについては実に9割の事務所が記載しており、次のような効果が見込めることがわかります。

  • 読み手の要望にあったサービスが提供できるかどうか伝えることができる

一方、課題としては以下のものが考えられます。

  • 会計に詳しくない人が見ても伝わる内容で記載していることが重要

この結果を踏まえ、事務所の取り組みとしてどのような項目を挙げているかを調べたところ、以下のようになりました。

Q.事務所の取り組みとしてどのような項目を挙げているか

トップは「開業、設立支援」で52%、次いで「資金繰り、融資」で46.5%。以下、相続や経営支援と続きます。

事務所のミッションを掲げる意味と効果

次に、事務所のミッションや経営方針を記載しているかどうか調べたところ、以下の結果になりました。

Q.事務所のミッションや経営方針を記載している

ミッションや事務所の経営方針をホームページに記載することで考えられる効果としては、次のものがあります。

  • 事務所の方針を記載することで、方針にあった企業から問い合わせが来るようになる
  • 採用も同様に、方針にあった方からの応募につながる

一方、課題としては次のものが考えられます。

  • 漠然としたミッションでは、狙った効果を発揮できないことがある
  • ミッション自体を設定していない事務所もある

サービスの料金を記載することの効果と課題

次に、サービスの料金を記載しているかどうかを調べてみました。

Q.提供しているサービス、取り組みがいくらで提供できるのかを記載している

結果は、記載していない事務所がわずかに上回りましたが、ほぼ半々に分かれました。記載することの効果としては以下のものが考えられます。

  • 顧問依頼をする際の大きな懸念の一つを事前に払拭できる
  • 価格で意思決定をしている企業には決め手になる

一方、課題としては以下のものが考えられます。

  • 価格を明記することで、価格勝負になってしまいがち
  • 顧問先ごとに見積もりを行っている場合、価格を明記しにくい

価格を記載することで明朗会計を謳い文句にできる一方で、価格競争に巻き込まれるリスクも生じるという点で、判断が分かれている可能性があります。

顧問先との関係強化につながる情報発信

次に代表ブログやスタッフブログなど、ホームページ上でブログを運営しているかどうかを調べたところ、以下の結果となりました。

Q.代表ブログ、スタッフブログなど、ホームページ上でブログを運営している

ブログを開設している事務所は少数派ですが、これをすることで次のような効果が狙えます。

  • ホームページの内容にそったブログを運営することで読み手にあった情報発信ができ、その結果、より強固な信頼を獲得できる

一方で、ブログの運営を始めるに当たっては次のような課題が考えられます。

  • 記事の構成や執筆など、開始するための ハードルが高い
  • ホームページに関係ない内容では相乗効果が薄くなってしまう

続いてTwitter、Facebook、YouTubeなど、SNSのリンクをホームページに記載しているかどうかを調査したところ、次の結果となりました。

Q.Twitter、Facebook、YouTubeなど、SNSのリンクをホームページに記載している

SNSとホームページを連動させている人は少数派ですが、これをすることで以下のような効果が期待できます。

  • SNSと連動して、よりパーソナルな人となりを伝えることができる
  • SNSからの流入を狙うこともできる

一方、課題として以下のようなことが考えられます。

  • ホームページと連動する形でSNSを利用しないと相乗効果がない
  • SNSからホームページに誘導できれば、より相乗効果を発揮できる

「顧問先の声」はキラーコンテンツになる可能性も

最後に、既存の顧問先の声として、事務所や提供するサービスの評判を記載しているかを調べたところ、以下の結果となりました。

Q.既存の顧問先の声として、事務所や提供するサービスの評判を記載している

こちらも記載している事務所は少数派ですが、事務所やサービスの評判は以下の観点でキラーコンテンツになり得ます。

  • 事務所の強みやサービスの信頼度を高めることができる
  • 提案の前後に配置することで、決断の後押しができる

他方で、課題として次のものが考えられます。

  • ホームページの構成とあわないお客様の声では効果が薄い
  • 適切なお客様の声を集める労力が必要

税理士事務所のホームページ作成

ホームページはその事務所が「きちんとしたところ」だと認識してもらうためだけでなく、顧問先との関係強化や人材採用にも効果を発揮するものです。

きちんとメッセージの届くホームページになっているかどうか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。

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