えっ?料金表って新規のお客さんに見せるためにあるんじゃないの?
みなさんは、どのようなシーンで料金表をお使いでしょうか。新規顧客と商談をするとき。新規顧客の紹介をパートナー会社にお願いするとき。ホームページに掲載するために作成している、という方もいらっしゃるでしょうか。
しかし、料金表は新規顧客のためだけにあるのではありません。すでに契約を結んでいる顧問先に対しても、重要な役割を果たします。今回は、既存の顧問先に対して、料金表で何を伝えるべきなのかをお伝えしたいと思います。
「いい税理士」の価値を伝えるべき相手は、新規のお客様だけではない
「顧問先」と一口に言っても、会計事務所は様々な顧客とお付き合いをしています。業種や事業規模はもちろん、関係性や提供するサービス、顧問料の金額についても顧問先ごとにバラバラであることが多いです。
年に1回か2回しか経営者に合わず、税金の計算しかしていないという顧問先もいれば、毎月1回は必ず顔をつき合わせて、経営に関する手厚いサポートをしている顧問先もいる。さらには、顧問料と提供するサービスが見合っている顧問先もいれば、受け取っている顧問料以上の仕事をこなしてしまっている顧問先もいる、というのが実情ではないでしょうか。
さて、ここで、みなさんの顧問先の経営者さんそれぞれの顔を思い浮かべながら、ちょっと考えてみてください。その経営者の方々は、みなさん(会計事務所)が提供できるサービスのすべてを、果たしてご存知でしょうか。
経営者の多くは、今自分が受けているサービスが、会計事務所が提供できるサービスのすべてだと思い込んでしまっています。特に、会う頻度が少なく、税務の話がメインになってしまっている経営者ほど、「税理士は税金に関する相談しかできない」「申告書にハンコをついているだけでしょ」「経営については頼りにならない、相談しても無駄」と思ってしまいます。
税理士が経営支援や業績向上のための支援をしてくれるとは、きっと夢にも思っていません。
だからこそ、料金表を使って「いい税理士」のサービス全体像を伝えなくてはいけません。そんなときに威力を発揮するのが、「料金表」なのです。
「会計事務所ってここまでやってくれるの?」と言わせることが重要
では、税務や会計に関するサービス(以下、税務顧問)しか提供していない顧問先に対して、料金表を使って何を伝えるべきなのでしょうか。
それは、事務所として提供できるサービスの「全体像」です。「私たち会計事務所は、こんなことまでお手伝いできるんですよ」という、事務所が提供できるサービスの最大値を伝えなければいけません。きっと多くの経営者が「会計事務所ってここまでやってくれるの?」と驚くことでしょう。
Mikatus(ミカタス)の料金表では、「プレミアムプラン」がこの役割を果たします。プレミアムプランとは、「社外CFO(最高財務責任者)」として、経営に関するあらゆる課題について経営者と一緒に考えていくサービスです。税理士や会計事務所は、税金や会計に関する業務だけでなく、それらの知識や経験を背景に、経営全般に関する支援を提供できるということを経営者にしっかりと伝えておくことが重要です。
もし、引き続き、税務顧問のみを提供することになったとしても、それはそれで構わないのです。経営者に「いい税理士」のサービス全体像を知っておいてもらうことに意味があります。全体像を知った上で税務顧問だけを選ぶのと、知らずに税務顧問を選んでしまっているのとでは大きな違いがあるからです。
経営上で大きな困り事が発生して誰かに相談したいとき、「いい税理士」のサービス全体像を知っている経営者であれば、頼って相談に来てくれるかもしれません。しかし、サービス全体像を知らない経営者だと、「税理士に相談する」という選択肢すら思い浮かぶことはありません。
経営者が「いい税理士」のサービスの最大値を知らないということは、「いい税理士」にとっても、経営者にとっても不幸なことなのです。
プランを3つに分ける理由。「社外財務部長」サービスを着地点に
全体像を伝えることのメリットはもう一つあります。それは、真ん中のサービスプランを選んでもらいやすい、ということです。
経営者から見て、「いい税理士」サービスの最大値である「社外CFO」サービスは、経営に関する様々な課題に対応してくれるプランです。しかし、その分、料金は非常に高額です。税務顧問しか提供されていない顧問先からすると、いきなりは手を出しづらいプランだと思います。
そこで、比較的ライトに始められそうな、真ん中のプランを用意しておくのです。「最大だと、ここ(社外CFO)までできます。でもいきなりは難しいと思うので、まずはこのプランから始めてみませんか?」という具合です。3つの価格帯を提示されると、人は真ん中の価格帯を選択しやすくなるという心理効果は良く知られています。
Mikatusの料金表においてサービスプランが3つに分かれているのは、実はこの効果を狙ってのことでもあります。「スタンダードプラン」、つまり、「社外財務部長」として顧問先のキャッシュ(資金繰り)を支えるサービスプランが、真ん中のサービスプランになっています。
真ん中のサービスプランを紹介する、ということも念頭に置きながら、まずはサービスの「全体像」をしっかりと経営者に伝えるということを考えてみてはいかがでしょうか。
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