中小企業経営者に聞いた!不安を感じる「税理士の料金表」とは?

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「税理士さんの料金表は経営者目線で作られていない」

これは、Mikatus(ミカタス)が感じている税理士業界の課題のひとつです。実際のところ、中小企業の経営者は税理士の料金表についてどのように感じているのでしょうか。
2019年5月に座談会を開催し、3名の中小企業経営者のみなさんにお集まりいただき、税理士の料金表に対する率直な感想や、不安に感じる点について伺いました。

なぜ税理士ではなく中小企業経営者なのか

なぜ中小企業経営者を集めて座談会を開催するのか。それは、私たちの価値提供したい税理士さんの先にいらっしゃるのが、中小企業だからです。
私たちが「いい税理士」の方々により価値をお届けするために、税理士さんのお客さんである中小企業の経営者の意見を聞いてみよう。
第三者である私たちであれば、税理士さんが経営者には直接聞きづらいことや、逆に経営者が直接税理士さんに言いづらいような本音を、伺うことができるのではないか。そんな狙いを持って、この座談会を開催しました。

▼ご参加いただいたみなさま

会社名 氏名 ※五十音順 業種/業態
株式会社キャタル CFO 川本 敦志 様 子ども向け英語塾の運営
CROSS MEDIA GROUP 代表取締役 小早川 幸一郎 様 出版・マーケティング
do walk talk LLC. 代表 野崎 行央 様 デザイン・Web制作

中小企業経営者は、税理士の料金表を見て何を思うのか

一般的な税理士の料金表

経営者のみなさんに見ていただいた「よくある税理士事務所の料金表」

今回の座談会では、あらかじめテーマをひとつ設定しました。
それは、世の中によくある税理士事務所の料金表やサービスメニューを見て、そのサービスを受け取る側、料金を支払う側である中小企業経営者はどう思うのか、ということです。

それでは、中小企業経営者のみなさんのコメントをちょっと覗いてみましょう。

川 本
そもそも、なぜこちら(中小企業)の売上が上がると顧問料が上がるのか判断基準が不明瞭ですよね。実は去年、当社は売上が5億円を超えたのですが、その際に税理士から顧問料を5万円から7.5万円に上げさせてほしいとの申し出を受けました。
なぜ顧問料が上がってしまうのか。差額の2.5万円は何に対する対価なのかが分かりませんでした。そのため、当社の代表から丁重にお断りさせていただきました。
小早川
うちのように多角的に事業を展開していると、売上が増えるときは、取引する会社や商品も増えるケースがほとんどです。取引先が増えれば、それだけ請求書の枚数も増えます。請求書の数が増えれば、売上の集計も大変になり、税理士さんの工数も増えてしまうと思います。そのため、売上があがれば顧問料があがるという料金体系はしょうがないかな、とも思います。
小早川
ただ、この料金表を見ていて思うのは、「なんでもできる」は「なにもできない」ことと同じだなということです。もっと何ができるのかを明確にアピールした方がいいと思います。
この料金表のように、なんでもできますと言わんばかりにたくさんのメニューを提示して、しかもこちらにとってわかりづらい言葉を並べてしまうと、結局のところ、強みや独自性はどこにあるのかがわからなくなってしまいます。
田 中
確かに…さすが、税理士さん向けの本もたくさん出版されているだけあって、説得力があります。野崎さんはどう思われますか?
野 崎
まず、わかりづらいなと思います。次に、結局いくらかかるのか、それで何をやってくれるのかピンときません。料金がいくらになるのかわからないという意味では「怖いな」と感じますね。
田 中
なるほど。確かにそれは怖いと感じますし、この後も何かあるごとに色々と請求されるんじゃないかという不安にかられますよね。
川 本
マーケティング視点で行くと、正直わかりづらさしかありません。もっとシンプルに見やすくすることと、提供できる価値が何なのかを明確に打ち出せた方がいいですよね。これを見てると、僕ら企業側がどんなサービスを受けられるのかがわかりません。そうすると、料金が適正かどうかの判断もできません。
「御社の経理部長になります!」「経営アドバイスができます!」とか書いてある方がいいですよ。
野 崎
部分的に業務を依頼するときにはこういう形式が見やすいとは思います。でも、僕らが税理士さんに依頼したいときは、一通りまとめてお願いしたいことが多いと思うんです。こういうのを見ると「部分的に業務を受けます」というスタンスでやってるのかなと感じますね。
田 中
みなさん、ありがとうございます。まずは「何をやってくれるの?」ということが企業側から見てわかりづらいということ。さらに、料金体系が細かくなればなるほど「結局いくらなの?」ということがわかりづらくなる。
そして、支払う料金がわかりづらいというのは、怖さや不安につながる。このあたりが税理士さんが受け取るべきメッセージのような気がしますね。

Mikatusが考える「いい税理士」の料金表

次に、私たちMikatusが「税理士さんの料金表はこうあるべきではないか」と考えたものをみなさんにご覧いただきました。

「いい税理士」の料金表。プランごとに対応範囲が見やすくまとめられている。

小早川
これは良いと思います!さきほどの料金表だと、そもそも書いてある内容自体がわかりません。こちらは税務や会計の専門家ではありませんから。でも、この料金表のように「企業の課題に対して、どのようなサポートをしてくれるのか?」が明確であれば、経営者はお金を払うと思います。
野 崎
シンプルにまとめてあって良いですね。こういうプランがあることを示すことで、企業側もステップアップしやすいと思います。会社の状況に合わせたプランがあることが明確なので、会社が軌道に乗れば、値段を上げてもっと上のサービスを受けることも検討できると思います。
小早川
これを見てると税理士に必要なことは2つあるなと感じます。まず、これができる能力をあなたは持っていますか?ということ。つまり、他の税理士との違いを出すことができますか?ということです。
次に、ブランディングです。「できる」や「能力がある」だけでは相手に伝わりません。相手に価値が伝わってないのに、「この料金をください」と言われても「はぁ?」となってしまいます。
田 中
小早川さん、もう一度言わせてください。さすが、出版やブランディングのお仕事をされてるだけありますね(笑)。
川 本
ぜひ、Mikatusさんにはこういう活動をやってほしいです。実はこれまでのみなさんのお話を聞いていて、自分は今の顧問税理士に必要以上にお金を払っているんじゃないかと思っていたんです(笑)。
でも今は、もしかしたら税理士の能力を引き出せていない自分にも問題があるんじゃないかと思い始めました。こちらから色々と相談してみることで、これまでとは違った税理士との付き合い方が見えてくるのかもしれませんね。
「いい税理士」はこんなことまでやってくれるんだ、ってことが世の中に認知されることで、税理士さん全体のレベルも上がっていくと思います。それは我々企業にとっても、とてもいいことですね。

初めて開催した中小企業経営者による座談会。
私たちにとっても多くの気づきがありました。「いい税理士」の真価を中小企業に伝えるためにも、今後は経営者による座談会も随時開催していきたいと思います。

料金表に関する記事は下記よりご確認ください!

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