経営者の「よそ(他社)はどう?」は差別化を図る絶好のチャンス!
税理士や会計事務所スタッフは、中小企業の経営者と定期的に面談できるという、他の業種の人が羨むような恵まれたポジションにあります。
そんな経営者との面談において、「よその会社はどうなの?」と経営者から聞かれた経験がある方は多いのではないでしょうか。実はこれは、経営者の意思決定のための有益な情報を与え、他の事務所との差別化をアピールする絶好のチャンスなのです。
このようなケースで「有益な情報」を提供し、経営者に「気づき」を与えることを積み重ねることで、経営者からの信頼を積み上げることができます。
今回は、経営者の「よそ(他社)はどうなの?」に対して、どのような対応をすべきなのか。「いい税理士」を志すみなさんに伺ったお話も交えながらご紹介します。
経営者に「気づき」を与える
「いい税理士」は、中小企業の業績アップに貢献します。とはいえ経営コンサルタントのように振る舞うわけではありません。また、その会社の経営者や従業員のように、営業や商品の製造といった業務の一端を担うわけでもありません。
孤独な経営者にとっての身近な相談相手として、経営者の想いや悩みに寄り添い、解決策を一緒に考える「メンター」としてサポートすることが「いい税理士」の役割です。
>>「いい税理士」と経営コンサルタントとの違いについてはこちら
顧問先の業績を実際に向上させるのは、経営者やその会社で働く従業員の仕事です。「いい税理士」の役割は、経営者に「気づき」を与え、経営者をやる気にさせること。経営者を突き動かすことで、間接的に中小企業の業績アップに貢献するのです。
>>経営者をやる気にさせるための方法についてはこちらの記事をご覧ください
経営者をやる気にさせるアプローチ方法は様々ありますが、経営者との面談におけるコミュニケーションの中にはその機会が多くあります。特に、経営者から「よその会社はどうなの?」と聞かれるケースは絶好のチャンスといえます。
経営者はなぜ他の会社のことを気にするのか?
「いい税理士」を志すみなさんが経営者とお会いするときには、必ずと言ってよいほど、そして毎回のように、他社のことを聞かれるそうです。そもそも、なぜ経営者は他の会社のことを気にするのでしょうか?
経営者は、様々な局面において、経営に関するあらゆることを判断しなければなりません。限られた時間や情報の中で判断が求められますし、会社の命運を左右する意思決定もしなければなりません。
経営者は、自分が経験したことがないことでも、全くわからない分野のことでも、決断しなければならないときがあります。自分が下した判断に自信を持つためにも、他の経営者や他の会社はどうしているのかを知りたがるということなのでしょう。
原価率はどれくらいに抑えるべきなのか。従業員のボーナスは他の会社に比べて高いのか安いのか。業種や地域、規模感が同じくらいの会社と比べて自分の会社はどうなのか。黒字経営を実現している会社は、どのような水準を保っているのか。
経営判断を迫られる経営者にとって、手本や目安となる他社の経営数字の情報は、喉から手が出るほど有益な情報なのです。
「よその会社はどうなの?」は経営者をやる気にさせるチャンス
「よそはどうなの?」という言葉は、経営者の「もっと会社を良くしたい」という意欲の表れであり、孤独な状況で決断を迫られるプレッシャーへのSOSでもあるともいえます。
一方で、「よそはどうなの?」という経営者の一言は、税理士や会計事務所スタッフにとっては絶好のチャンスだといえます。
意思決定のために有益な情報を提供することができれば、経営者のやる気に火を付けることができます。また、決断への迷いや不安に寄り添うことで、信頼関係を構築することができます。
有益な情報を与えるとともに、他社の状況や数字を客観的に示すことで、「苦しいのは自分の会社だけじゃないんだ」「よそが頑張っているなら自分もやってみよう!」といった、安心感や勇気をもたらす気づきを与えることができます。
また、経営判断に有益な情報を提供したり、他社との比較によって「気づき」を与えるアプローチは、税理士としての差別化にも繋げることができます。
様々な業種の顧客を抱えており、会計や給与に関する情報を預かっているため、多種多様な会社の経営数字や状況を把握することができる。これは、税理士や会計事務所が持つ大きな強みの1つです。
そして、経営者からの「よそはどうなの?」という一言は、その強みを活かすことができる絶好のチャンスが訪れているサインです。そのチャンスを活かすべく、しっかりと準備をして経営者との面談に臨むことが「いい税理士」として顧問先に価値を提供するための秘訣といえます。
経営者からの「よそはどうなの?」に応える新サービスを開発中
そうはいっても、経営者の「よその会社はどうなの?」に対して、適切な切り口で的確に応えるためには、それなりの知識と経験が必要です。一定数の顧問先の、正確な会計や給与のデータも必要になります。
- どのような切り口のデータが、経営者にとって有益なのかを判断する自信がない
- まだ開業したばかりなので、そもそも顧問先の情報をそんなに持っていない
- 自分は話せるけど、事務所のスタッフにも応えられるようになって欲しい
そのように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Lanchor(ランカー)の運営会社であるMikatus(ミカタス)では、そんな税理士さんや会計事務所スタッフさんのために新サービス「YOSOD(ヨソッド)」の開発を進めています。
「YOSOD」とは、12万社以上に及ぶ中小企業の経営に関する統計情報を参照できるサービスです。税務申告に利用される信頼性の高い会計・給与データを基に、業種、地域、売上高、従業員数など様々な切り口で、中小企業の実態を知ることができます。
中小企業の経営判断に有益な情報を提供し、少しでも業績アップに貢献したい。そんな「いい税理士」を志すみなさんのお役に立てればと思います。
※「YOSOD」はMikatusの製品「A-SaaS(エーサース)」「キャッシュ・イズ・キング」に照準搭載されるサービスです。ご利用にあたり追加費用は一切かかりません。
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