業務の属人化を解消!ココペリが放つ税理士事務所向け情報共有サービス「FLOW」
株式会社ココペリ
ソリューション事業部 白石行伸さん
事務所の規模が拡大していく過程で業務が煩雑になったり、属人化が生じたりすることは珍しくありません。そうした課題に対して、税理士事務所向け情報共有サービス「FLOW」という解決策を提案するのが株式会社ココペリです。
この記事では、ココペリの白石行伸さん(ソリューション事業部)にFLOWの特徴や導入することのメリットについて伺います。あわせて、同社が金融機関を介して提供する中小企業向けビジネスマッチングサービス「Big Advance」についてもご紹介します。
お話をうかがった方:株式会社ココペリ 白石行伸さん
前職の税理士法人にて営業・マーケティング責任者を経験。業界未経験で、何もわからない状態から営業を開始し、2015年には税務顧問と経理代行で年間新規獲得7,000万円超の契約を実現。また3万人を超える年末調整案件の営業・実行責任者を経験。現在、株式会社ココペリにて金融機関と連携した中小企業経営支援サービス、税理士事務所向けの業務管理ソフトの開発・運営に従事。
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税理士業界全体の問題となっている業務の属人化
Q.FLOWの開発に至った経緯を教えてください。
白石さん(以下、白石):僕はココペリに入社する前に税理士事務所に勤めていたのですが、その事務所では業務の属人化が問題になっていました。例えば担当者にしかわからない業務があり、その人が退職した後に混乱が生じるといった具合です。ココペリに入社してから多くの税理士事務所とお付き合いする中で、業務の属人化というのは税理士業界全体に共通する問題なのだと認識したんです。
この問題を解決するために開発したのが情報共有サービス「FLOW」です。「もっと働き方をシンプルに、楽に。」がコンセプトのFLOWは、税理士事務所の生産性向上に貢献するものです。税理士事務所はFLOWを通じて①業務の標準化、②属人化の解消、③従業員満足度と顧客満足度の確立、を実現することができます。
なぜ「③従業員満足度と顧客満足度の確立」にFLOWが寄与するのかと言うと、税理士事務所では人が商品だからです。人が商品である以上、従業員が満足していないのにお客様を満足させようと思うわけがありません。だから顧客満足度を上げたければ、まずは従業員満足度を高めないといけない、という僕らの基本的な考え方がFLOWには反映されています。
Q.FLOWの特徴的な機能について教えてください。
白石:我々の調査では、中小企業経営者にとっての相談相手は圧倒的に税理士であることが多いという結果が出ています。一方で、業務過多や属人化、アナログ、採用・教育などに関する問題を、ほとんどの税理士事務所が多かれ少なかれ抱えています。
FLOWはこうした問題を解決するためのサービスです。具体的には、タスク管理や顧客管理、進捗管理、日報作成、生産性分析などを行うことができます。
例えばタスク管理について申し上げると、多くの税理士事務所では基本的にどんぶり勘定をしています。一件一件の顧問先に対して採算が取れているかどうかは見ておらず、「事務所として利益が出ているならいいや、出ていないとヤバいね」みたいな発想を持っているところがほとんどではないでしょうか。
また顧問料に関しても、きちんと工数を見てそれに応じた料金を提示している事務所は少数派です。「前の税理士事務所が5万円だったらうちも5万円もらう」とか「どうしても取りたい仕事だから5,000円値引いて4万5,000円で請け負う」とか、そんな印象を持っています。そうではなく、一件一件の顧問先に対してきちんと採算が取れるかどうかを見なくてはいけません。
FLOWのタスク管理機能を使うと、「誰がいつまでにそのタスクを完了しなければいけないか」を共有できるだけでなく、「何時間かかっているから報酬がいくらになる」という根拠を示せるようになります。
税理士事務所では時間当たりの報酬は5,000円を目指そうというところが多いと思います。5,000円に満たない場合、事務所のやり方に問題があるか、顧問料が安すぎるかのどちらかです。
5,000円を下回っているケースでは、どちらに課題があるのかを分析し、改善する必要があります。FLOWでは、タスク管理と顧客管理と日報がすべて連動する形で生産性分析ができます。
本当はFLOWが持っている機能を使い、生産性分析まで一気通貫でできれば美しいのですが、税理士事務所にはITリテラシーの低いところや、マネジメントという概念がないところもあります。一度にすべてを始めるのが困難なケースでは、「顧客カルテのようなものがないんだったらまずはそれを整理しましょう」「顧客カルテが整理できたら次はタスク管理です」「タスク管理の次は日報を書いて生産性分析をしましょう」と段階的に提案させていただくことが多いです。
Excelなどで日報を書く文化がすでに根づいているのなら、FLOWにただ置き換えるだけなのでいきなり生産性分析をすることも可能です。ただ、そういう文化がないのにFLOWを導入して日報を書かせようとすると、従業員さんから批判の嵐を受けることになるので注意が必要です。FLOWを導入したら、できることから徐々に適用範囲を広げていくことが大切です。
一件一件の顧問先ごとに採算性を分析
Q.FLOWを導入することのメリットを教えてください。
メリットは大きく4つあると思っています。一つ目は、煩雑なタスク管理から解放される点です。FLOWを導入すると今誰がどの顧問先のどの業務を担当しているのか、が確実に把握できるようになります。また、従業員間でタスクを受け渡しながら効率的に業務を進めることができるため、製版分離の実現も可能になります。
二つ目は、従業員の突然の退社にも慌てなくなる点です。各顧問先のタスクを事務所全体で可視化できるようになるため、過去のやりとりを確認してすぐに状況を把握できます。
三つ目は、顧問先別の採算性を把握できる点です。先ほど申し上げたとおり、顧問先ごとにどれくらいの作業工数がかかっているかがわかるため、顧問先ごとの採算性を確認して対応できるようになります。
四つ目は、他の支店の動きをリアルタイムに把握できる点です。複数の支店を展開している場合、他の支店の動きを把握することが難しいケースがありますが、FLOWがあれば他の支店で進んでいる業務をリアルタイムに把握することができます。また在宅スタッフなどがいる場合も同様に、FLOW内でのタスク管理が可能になります。
中小企業間でのビジネスマッチングサービス
Q.貴社のもう一つの主力サービスである「Big Advance」についても教えてください。
白石:Big Advanceは全国の金融機関を通じて提供する、中小企業向け経営支援サービスです。4月19日でサービス開始から4周年を迎えました。
この図で説明すると、例えばA銀行から融資を受ける企業Aと、C銀行の顧客である企業Gが、互いの取引銀行を介して商談することを可能にします。金融機関が提供するサービスなので、反社チェックをはじめとする与信のチェックをクリアした企業のみが利用できる、という特徴を持ちます。
2022年4月現在、83の金融機関が利用しており、山口、島根、徳島、香川、秋田を除く42の都道府県で利用可能になっています。
Q.Big Advanceの今後の展望について教えてください。
白石:現在、金融機関と自治体とココペリが組んで色んな取り組みを進めています。例えば直近では、佐賀銀行と佐賀県の上峰町とココペリが連携協定を結び、上峰町の企業のDXを進めていこうとしています。Big Advanceの利用料に自治体が補助金を出すケースもあり、今後もこうした取り組みは進んでいくと思います。
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ココペリが提供するFLOWとBig Advanceについてご紹介しました。興味のある方は以下のWebページで詳細をご覧いただけます。
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