5,000万円の赤字脱却に成功!信条は「人と人との縁をつなぎ新ビジネスを創出する」
いい税理士協会が認定する上級会員であり、税理士法人キーストーン神戸の代表税理士を務める藤本隆さんは、中小企業の経営を支援する伴走者として、また中小企業の経営者同士をつなぐ仲介者として多忙な日々を送っています。そんな藤本さんに税理士としてのやりがいや、仕事における信条などを伺いました。
お話をうかがった人:税理士法人キーストーン神戸/藤本隆さん
平成12年に独立開業。平成17年に税理士法人キーストーンの代表社員に就任。「お客様の存続と成長」を理念に企業の収益性改善に重点を置き、経営支援型事務所として関西圏の経営者の良き相談者となることを目標に掲げて活動中。「財務は嘘をつかない」をスローガンに、財務分析と経営者へのヒアリングから課題を設定し、経営改善のためのPDCAサイクルの構築支援に力を入れる。
ホームページはこちら
中小企業同士のコラボレーションのハブとして
「社長さん同士の縁を取り持って双方の協業を前進させたとき、税理士になってよかったと思います――」。仕事のやりがいは何かと問いかけると、藤本さんはそう即答しました。藤本さんのことを語るうえで、「縁」という言葉は欠かせないものになっています。
実際にこんな事例があります。
精密機械の加工を生業とするA社の社長が、ある画期的なキャンプグッズを作りたいと思っていました。ところが理想とするデザインが固まりません。この話を聞いた藤本さんは、プロダクトデザインを手掛けるB社の社長に相談。「今、コロナ禍の広がりも後押ししてソロキャンプが注目を集めています。A社の社長さんが考えているのはソロキャンパーをターゲットにした商品なんです」。そう投げかけるとB社の社長は俄然、興味を示します。藤本さんを介して出会った二人の社長は次第に意気投合し、プロジェクトは一気に動き出します。
そう謙遜する藤本さんは、税務申告や記帳代行といった従来型の業務も税理士にとって大切な仕事だということは十分にわかっています。ただ、それ以上に「社長の頭の中のアイデアを覗かせていただくことが楽しいんです」と、中小企業の経営支援に携わることの醍醐味を笑顔で語ります。
「会社」という物語の主人公はお客さん自身
そんな藤本さんは「お客さんの貸借対照表を見ることが好きです」と話します。単年度の業績を表す損益計算書とは異なり、創業から現在に至るまでの会社の“年輪”が読み取れるのが面白いのだそう。
大変な思いをしながら会社の歴史を作ってきたのは経営者と従業員たち。そしてこれからも同じように、あるいはもっと大変な思いをしながら歴史を作っていくのも経営者と従業員たちです。ところが「先生」と呼ばれることの多い税理士は顧問先に対して、ともすると偉そうになったり上から目線になったりしがちです。「それは絶対にあかんのです」と藤本さんは話します。
信条は一件一件、丁寧な仕事をすること
今でこそ200件を超える顧問先を抱えていますが、独立した当初はたったの3件だったという藤本さん。現在に至るまでの開業税理士としての道のりは、一つの信条によって貫かれています。
丁寧にやっていく――。その姿勢は、得意とする経営支援にも表れています。
藤本さんたちはまず、会社の財務分析から出発します。財務を丁寧に見たうえで、その会社の課題はどこだろうと考えます。同時に経営者からヒアリングを重ねていきます。すると徐々に会社の問題点が見えてきます。その問題点と改善の方法を提案書にまとめ、会社を良くするお手伝いをさせていただけませんか、と提案するのです。
サポートを進める中で、時として中小企業経営者のエネルギーを目の当たりにして圧倒されることがあると藤本さんは語ります。経営者が方針を決め、本気で動き出すと、一瞬にして会社が変わることが少なくないのだそうです。
年間5,000万円の赤字を出していた運送業の会社を黒字化させた実績もある藤本さん。その武器となっているのは、徹底した財務分析とそれに基づく適切な提案です。
「もちろん失敗することもありますよ」と藤本さんは笑います。
中小企業が躍動する社会を目指して
「いい税理士 上級会員」に認定されたことで、「恥ずかしいことはできないという自覚が強くなりました」と藤本さんは話します。藤本さんのように企業の業績向上に貢献する「いい税理士」が増えることで中小企業が元気になり、ひいては日本の経済が発展していく原動力になります。
※ いい税理士協会は2022年7月をもって解散しました。
この記事をシェアする