事務所経営が上手くいくために、必要なのは「明るさ」だった
「いい税理士」と「適正な顧問料」の関係に迫るべく、 2019年4月に 「『適正な顧問料』を手にするために必要なこと」というテーマで座談会を開催。 事務所経営が上手くいっている「いい税理士」さん4名にお集まりいただきました。
座談会の中で見えてきたのは、「いい税理士」が顧問先から適正な顧問料を受け取るための条件です。その条件とは、「独自性のあるサービス力」「提供価値への自信」そして「明るさ」の3つです。
では、3つ目の「明るさ」とはどんな条件なのでしょうか。
>>「独自性のあるサービス力」「提供価値への自信」については下記記事でお伝えしています。
人柄としての「明るさ」は稼げる税理士の絶対条件
税理士は数字と向き合う仕事です。決算書や税務申告のため、早く正確に数字を計算することが求められます。そこに税理士としての価値を見出してしまいがちです。
しかし、経営者が税理士に価値を感じるポイントは、少し異なるようです。「いい税理士」のみなさんによれば、価値が相手に伝わるのは相手と会って話している時。つまり経営者と対面した時です。そして、その際に最も大切なものが「明るさ」だと言います。
経営者は孤独な存在です。経営がうまくいかない、頼りにしていた金融機関に融資を断られてしまった。そんなときでも、社員に悩んでいる顔を見せるわけにはいきません。
落ち込んだ時に悩みを打ち明けられる、相談したくなる、話していると前向きな気分になれる。それこそが「いい税理士」が経営者に提供できる価値であり、経営者がお金を払いたいと思うポイントのようです。
税理士自身が楽しむことが「明るさ」につながる
では、税理士が「明るさ」を身に纏うために必要なことは何でしょうか。みなさんの答えは「自分自身が楽しむこと」だそうです。
仕事をしてもらうだけでなく、楽しい時間も提供してもらっている代わりに、スタッフみんなにお給料をお支払いしている、という感覚に近いかもしれません。スタッフ同士の仲が良い方が、お客様へのサービスクオリティもあがりますね。
視野の「明るさ」で稼ぐためのヒントが見つかる
さらに、稼ぐためには、人柄としての「明るさ」だけでなく、視野の「明るさ」も重要なようです。視野が狭くなると、税理士業界の中だけ、自分の事務所の中だけで物事を考え判断してしまうようになります。
他業界の人に、自分が提供しているサービスとその価格について説明したら、「そんな安い価格でやっているの?」と驚かれました。税理士の単価が安い、そもそも税理士の相場が低い、ということを改めて考えさせられました。
私たち税理士は、目についた数字上のコストをすぐに指摘しがちですが、様々な人づきあいが売上につながっているのであれば必要なコストです。税理士も経営をしているわけなので、数字を見てあらさがしをするのではなく、経営者のお金の使い方に見習うべき点がたくさんあると思います。
中小企業の経営者は、事業を継続し、拡大するために日々試行錯誤しています。税理士も会計事務所を経営する立派な「経営者」です。顧問先の経営者と同じように、自分の「強み」を見極めたり、お客様のニーズを調べたり、視野を広げて様々な方々と関わりを持つ努力をするべきだと、お話からは学ぶことができます。
この記事をシェアする