若手税理士必読!最初のお客様が教えてくれた税理士の本当の使命とは

「いい税理士」として活躍している税理士さんは、それぞれ「いい税理士」を目指すきっかけとなった原体験を持っています。今回は、税理士法人キーストーン神戸の藤本さんに、「いい税理士」としてのルーツを伺いました。

「自分が守るべきだったのに、守ることのできなかった経営者の方がいらっしゃる」そう語る藤本さんのエピソード。その時に経験した後悔と自責の念が、「いい税理士」を志すきっかけとなったそうです。

疑うことなく信じていた税理士像、だがそれは間違っていた

「いい税理士」を目指すきっかけになったエピソードを教えてください

私が税理士として独立し、駆け出しのころの話です。当時の私は、税理士の仕事とは、節税の提案をしたり、法律にのっとって税金を計算することだけだと、疑うことなく信じていました。

ですが、それは間違っていたんだということに、私の最初のお客様に気づかされました。

そのお客様は、私が独立する前から通っていたフレンチレストランの経営者でした。料理がとてもおいしかったのですが、バブル崩壊後の不景気でお客さんが入らなくなり、徐々に収益は悪化。資金繰りも苦しくなっていきました。

しかし、節税や税金計算こそが自分の仕事だと信じきっていた私は、そんなお客様の財務状況を特に気にもかけていませんでした。

「もっと内装をきれいにした方がいいのでは?」「音楽のボリュームをもっと下げた方がいいのでは?」訪問のたびにそんな言葉をかけていましたが、私としては雑談程度の話。ただのいち顧客としての、感覚的なアドバイスにすぎませんでした。

倒産、でも感じたのは「お客さん、減っちゃったな」だけ

しかしある日、お店に行ってみると内装がガラッと変わっていたのです。しかもその経営者は、改装費用のために借入までしていました。

私が気軽にした根拠に乏しいアドバイスのせいで、資金繰りはさらに悪化しました。訪問するたびにその経営者の方の顔は曇っていき、ネガティブな会話にしかなりません。正直、私もそのお店に行くのが嫌になっていきました。

そして経営はついに行き詰まり、あるとき訪問した際、沈痛な面持ちで「お店をたたんで故郷に帰ります」ということを告げられました。

その時でさえも、私の感覚としては「お客さん、ひとつ減っちゃったな」という程度でした。税務上の廃業手続きも滞りなく終え、自分としては「ちゃんと最後まで仕事をした」という思いでした。

一枚の葉書に気づかされた、自分が果たすべき使命

しばらく経って、その経営者の方から葉書をいただきました。

「地元に戻って慣れないミシンの営業をなんとかやってます」という一言の下に綴られていたのは、紙面いっぱいに溢れんばかりの私に対する感謝の言葉でした。

私がなんとなくかけた言葉や行動は、苦境の中でも何とかしたいと、必死でもがく経営者へのエールとして受けとめられていたのです。

その時にようやく気づかされました。「自分は、何をやってたんやろうな……」と。夢のために熱意を持って頑張っていた人の人生を、自分がダメにしてしまった。そんな後悔と自責の念が沸々と湧いてきました。

もちろん、節税や税金計算は税理士にとって大事な仕事ではあります。けれど、企業を存続させ、成長させるというのが、自分が最優先すべき仕事なんだと考えるようになったのです。

関わっていただいた以上は、潰れてほしくない

その出来事を機に、藤本さんの行動はどう変わったのですか?

顧問先(お客様のこと)とは、税金の話よりも、経営の話を重点的にするようになりました。

「自分と関わっていただいた以上は会社に潰れてほしくない。会社の経営が少しでも良くなってほしい」

その想いも必ず伝えるようにしています。そのお手伝いをすることが我々のミッションだと思っています。

「税金を払ってでも利益を出していかないと、会社が長期に存続することはできない」という話もするようになりました。「税務署の回し者か?」と眉をひそめる経営者の方もいます。

しかし、必要な税金は払ってでも黒字を続けていくことが、会社が生き残っていくために必要だということをお伝えするようにしています。今の時代、20年存続できる企業は極めて少ない。そんな中で、しっかりお金を残してもらう。会社が厳しい状況に置かれた時に、金融機関に助けてもらえる財務状況を作っておくことが重要だと思います。

また、マネジメント(経営)は顧問先の社長だけではなく、自分自身の仕事でもある、ということを学びました。税理士は個人事務所が基本で個人商店のイメージに近いものです。

ですが、自分が経営者にならないと顧問先の経営者の気持ちはなかなかわからないと考えています。組織を作って、自分が「経営する」という姿勢を持たなくてはいけません。それが私が事務所を法人化した理由でもあるのです。

顧問先の経営が少しでもよくなることが自分たちの存在意義でもあります。少しでも多くの会社に、黒字経営を継続していただきたいと考えています。

 

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