ビジネスはらせん階段 毎週一つのアイデアを実行すれば必ずヒットする時が来る

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独自の「らせん階段理論」に基づき、規模を拡大させている税理士事務所があります。東京・池袋に事務所を構えるV-Spiritsグループです。代表を務める中野裕哲さんに、事務所経営を軌道に乗せる秘訣を伺いました。

お話をうかがった方:V-Spiritsグループ 代表 中野裕哲さん
起業コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP。V-Spiritsグループ代表。年間約300件の起業相談を無料で受託。経済産業省後援「DREAM GATE」で10年連続相談数日本一。『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』など、著書16冊、累計20万部超。
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年に50のアイデアを実行すれば必ずヒットする

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1年は50の週に分解できます。毎週、新しいアイデアを試していけば、年間に50のアイデアを実行できます。50のことを行えば、どれかは必ず当たります。

ビジネスの真髄をこう端的に表現するのは、V-Spiritsグループの代表を務める中野裕哲さん。

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会社経営というものは、らせん階段と同じです。例えば駅を降りたところであんパンを売っているとします。誰も買いません。しかし、もし「楽天、売上一位」と書いてあったらどうでしょう?みんな買いますね。

どんなものでもかまいません、自分の得意なジャンルで1位になることです。極論すると、儲けは度外視してでも、まずは実績を作るんです。これがらせん階段の1段目。次に実績をアピールします。これが2段目です。

実績をアピールするとお客さんが来て、それがまた実績になります。これを繰り返すことで、らせん階段をどんどん上がっていくことができるのです。

中野さん自身がこの「らせん階段理論」を実践して事務所の規模を拡大させてきただけに、説得力にはゆるぎないものがあります。

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4年に一度、オリンピックイヤーごとに事務所の引っ越しを繰り返してきました。最初は自宅の6畳間から始まり、北京五輪のあった2008年に池袋のワンルームマンションへ移転。ロンドン五輪のあった2012年に16坪のオフィスへ、リオデジャネイロ五輪のあった2016年に36坪のオフィスへ移りました。

そして去年、東京五輪に合わせて、日本政策金融公庫の池袋支店と同じビルの14階に越してきました。55坪のオフィスです。

上場というものが存在しない税理士業界の中にあって「どこに、どんなオフィスを構えるか」は事務所のブランドイメージを守るうえでも重要です。事務所が栄えれば広いところや立派なビルにオフィスを構え、下火になれば撤退するしかありません。中野さんはそのことを公言することで、スタッフ間で目標を共有しているのだと言います。

有言実行の中野さんに力強く背中を押されたら、悩める経営者が前向きになれることは容易に想像できます。実際に、こんなことがあったそうです。

8年前、男性向けの脱毛サロンを開きたいという起業家が中野さんのもとを訪れます。銀行へ融資の相談に行ったところ「本当に商売になるんですか?」と切り返され、肩を落とす起業家。中野さんは男性を対象に脱毛に対する意識調査を行うことを提案し、起業家はアンケートを実施します。その結果を持って銀行を再訪すると、今度は説得に成功して融資を受けられることに。

その後、起業家のビジネスは大ヒットとなり、現在では10店舗を超える規模に成長しているそうです。

逃げ場所のない覚悟が夢に変わった

そんな経営感覚に優れた中野さんのビジネスにおける原体験は、31年前の20歳の頃にまでさかのぼります。

中野さんの実家は東京でバイク店を経営していました。一時は都内で一位二位を争うほど規模を拡大させたのですが、やがて多くの日本人が自動車に乗るようになり、バイク離れが進行。折しもバブル経済の崩壊と相まって実家のバイク店は大打撃を被り、全店舗を畳んで借金まみれになったそうです。

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私は長男なので「借金は将来、俺が背負うことになるのか、これは大変なことになった」と感じ、経営について真剣に勉強を始めました。会社を経営していた叔父の助けも受けつつ、働きながら勉強する中で、自分も将来は社長になりたいと思うようになったんです。税理士の資格を取ったのも、社長に必要な知識の一つだと思ったからです。

税理士だけでなく特定社労士、行政書士、1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅建など多くの資格を保有する中野さんですが、決して資格マニアではなく、いずれも必要性を感じて取得したものだそうです。

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経営判断を下す際、税金や経理のことだけを考えればいい、ということにはなりません。知識を得るため、あるいは我々がサービスを展開するために必要だから多くのジャンルの勉強をしただけです。

実際、中野さんが行うアドバイスは幅広く、直近では上場企業から新規事業そのものについてコンサルティングをしてほしい、といった依頼を受け、持てる知識を総動員して対応しているそうです。資格を持つ分野に関することだけでなく、マーケティングや営業についてもアドバイスできるよう日頃から知識をアップデートしているのです。

3分話せば成功する人か失敗する人かがわかる

そんな中野さんは税理士という職業について「スモールビジネスを展開する経営者にとって絶対に必要な専門家の筆頭だと思います」と語ります。

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社労士や弁護士はいらないという経営者でも、税理士だけは必要だと思っています。税理士の中には、自分は経理の専門家だと思っている人がいるかもしれません。しかし多くの経営者にとって、税理士は経営全般に関するアドバイスをくれる人、という位置づけであるべきなのです。

経営者からさまざまなことを頼られ、すべてをカバーできることが税理士という仕事のやりがいであり、最大の魅力だと思います。

そして経営者から頼られるには、データや数字の読み込みに強い左脳的な力を持ちつつ、言葉の力や感性の鋭さなどの右脳的な力を併せ持つことが大切だという中野さん。

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左脳的な力と右脳的な力を融合させ、経営者を奮い立たせる力を持つ人物こそが、税理士の理想形と言えるのではないでしょうか。AI(人工知能)に代替できない税理士の存在価値とは、そういうところにあるのだと思います。

相手の人間的な部分を突き詰めて考えてきたことで、3分話せば相手がどんな人かわかるという、常人にはない特技を身に付けた中野さん。

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もっと言うと、相手が起業家だったら成功するかどうかも3分で大体わかります。第一印象で決めつけるな、とお叱りを受けるかもしれませんが、私にはわかるのです。

この技能を発揮すれば、どんなに本人に自信がなくても「あなたは大丈夫です」と力強く背中を押すことができます。実際、多くの人は成功して「あの時、勇気づけてくれてありがとうございます」と言われることが少なくありません。

前述した脱毛サロンの起業家もその一人で、個人的な資質とビジネスアイデアの両面から、中野さんはその成功を即座に確信したと言います。

顧問先には自分と同じ苦しみを味わってほしくない

好評を博した前著『「新型コロナ資金繰り対策」がすべてわかる本』に続く書籍の執筆を進めている中野さん。前著を上梓したあと、中野さんを頼ってくる経営者は後を絶たず、時として採算度外視で活動してきました。

「中小企業の救急隊」を自認する中野さんは、自身と同じように資金調達の術を知る税理士が増えることを望んでいます。

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コロナ融資や雇用調整助成金、事業復活支援金、事業再構築補助金など、さまざまなスキームについて的確にアドバイスできる税理士が増えてくれば、多くの中小企業は危機を乗り越えられるはず。

私が20歳の時に実家の商売が倒れかけました。その際、色んな人からお金を借り、アドバイスをもらった結果、一家離散にならずに済んだという歴史があります。

お客様には同じ思いをしていただきたくないのです。危機からリカバリーできる専門家が世の中に少ないのであれば、我々がやるしかないと思っています。

*     *     *

コロナ禍の最中、政権与党の国会議員から政策提言を求められたこともある中野さん。当時、自民党の政調会長だった岸田文雄現首相に中野さんの提言は受け入れられ、補正予算に反映された経験もあります。社会に対して大きな影響力を持ちながら、「中小企業の救急隊」を地で行っているのは「自分の原体験を忘れてはならない」という姿勢の表れなのかもしれません。

最近ではインターン生を積極的に受け入れ、「日本の未来を変える人材を育てたい」という大きな夢も語っています。今年51歳を迎える中野さんは「この年になると自分を育ててくれた社会へ何を還元できるか考えるようになります」と話しますが、税理士として円熟期を迎え、まさにこれからが真価を発揮していくフェーズと言えそうです。

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