税理士の言葉が社長に伝わらない理由が分かる!決算報告時に意識すべきこと

税理士のみなさんから「経営者が会社の数字になかなか興味を持ってくれない」という悩みを聞くことがあります。
例えば、試算表や決算書を提出しても、経営者はざっと見るだけで興味を示してくれない。それなのに「会社の利益が出ない」と言われてしまう。
税理士さんの中には、顧問先のために頑張ってはいるものの「もっと経営者が会社の数字に興味を持ってくれたら、私たちも出来ることがあるのに」なんて考える方もいるでしょう。

経営者が決算書を読まない原因とは

経営者が会社の数字に興味を示さない原因の1つとして、税理士さんとのコミュニケーション齟齬が考えられます。具体的には、試算表や決算数字がどのようにして売上や利益アップに繋がるのかを、経営者に理解してもらえていないなどです。

  • 試算表を使って説明はしているけど、きちんと伝わっている気がしない。
  • 「もっと早く相談してくれたら良かったのに」と思うことが多々ある。
  • 報告をしても「数字のことは任せるよ」と線を引かれてしまった。

こんな経験がある税理士の方は、今回の記事が役に立つかもしれません。
まずは経営者が決算書を読まない本当の理由から、説明していきます。

なぜ、経営者は会社の数字を読まないのか

決算のイメージ図
会社の数字を読み解くプロである税理士のみなさん。しかし、みなさんが説明する数字について、その意味を正しく理解し、必要性を感じている経営者の方はどのくらいいるでしょうか。おそらく、ほんの一握りかもしれません。
大切な自社の数字なのに知ろうとしない。それは一体なぜなのか。決算書をしっかりと読まない経営者の心の中には、2つの思いがあるかもしれません。

B/S・P/Lが今後の売上に関係しないと思っている

多くの税理士のみなさんは思うはずです。「決算数字は売上げアップや業務改善に役立つのに…」と。ここに経営者が決算書と距離を取ってしまう理由の2つ目があります。
つまり、経営者は過去の決算数字をどう活用すれば売上アップや業務改善につなげることができるのか、理解していないのです。
もし税理士さんの中に「毎月伝えているけど」という認識があれば、伝え方を変えてみることで、経営者が試算表などに興味を示すようになるのではないでしょうか。

過去のデータをどこから読み始めたらいいか分からない

色々な活用法がある決算書や試算表。しかし、経営者の方は重要性が理解できても、どこから読み始めたらよいかが分からないかもしれません。
過去からの増減なのか、個別の項目なのか、原価率などの割合なのか。だからこそ、税理士のみなさんが毎月の報告などで、大切な項目や数字の紐解き方を伝えられたら良いかもしれません。

>>資金ショートを防ぐ!「数字」で経営者に気づきを与えた税理士の一手

経営者に伝わっていない決算書の重要性

経営者が決算書を読まない理由について、2つほど具体的にご紹介しました。
税理士のみなさんにとっては周知の事実だと思いますが、事業の構造が健全かどうかは事業の“中身”である、決算書を見るとわかります。日頃から経営者が色々な会社の数字を把握していると、事業拡大や借り入れなど大きな決断をする際、正しい判断ができますよね。

それでも経営者が会社の数字を読もうとしない。その背景には、会社の数字をきちんと理解し、把握することの重要性が正しく伝わっていない可能性が考えられます。
税理士さんは伝えているつもりでも、経営者はそんなこと聞いてない、と思っている。両者の間で決算書の数字に対する認識や重要性が違うからこそ、コミュニケーション齟齬は生まれてしまうのです。
では、正しく伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。また、上手く伝える方法はあるのかみていきます。

おすすめ本「世界一楽しい決算書の読み方」

どうすれば会社の数字に興味を持ってもらえるのか。税理士さんの悩みを解決するヒントとして、興味深い1冊をご紹介します
今ビジネスマンや経営者など“会計の素人”に売れている書籍『世界一楽しい決算書の読み方(KADOKAWA)』です。

著者である大手町のランダムウォーカー氏が、過去SNSにアップしていた会計クイズをベースに、書籍として再度編集したものが本書では楽しめます。
帯には「決算書は最高にシビれる“謎解き”だ」とあるように、B/SとP/Lの基本的な位置づけなどの解説から始まり、財務3表を読み解くことで、企業のビジネスモデルや業績の“謎”までが解ける構成になっています。

また特徴的なのは、全ての決算書の解説が数字や科目ではなく、最低限の専門用語と図解で解説されている点です。
つまり、数字の意味や役割、そして決算書の構造を説明することが中心のため、数字を用いて解説する必要がなく、企業の数字の本質を知ることに特化されています。

この本を手に取ることで、数字が苦手で会計から遠ざかる人の気持ちや、そんな人でも知るべきことは何だったのかを、改めて考えることができます。その結果、みなさんが感じる顧問先とのコミュニケーション齟齬の原因を知ることができるかもしれません。

>>セオリーが正しいとは限らない!金融機関を巻き込み資金調達に成功!

経営者が決算書を読み解くために税理士が取り組めること

コミュニケーションのイメージ図
ここまで読み進めた方の多くは、経営者がなぜ会社の数字に興味を持てないのか、理解ができたかと思います。そして企業のお金を扱う責任者として、何をすべきか見えてきた方もすでにいらっしゃるかもしれません。
最後に、月次報告や決算を通して、どのように経営者とコミュニケーションを取っていけばよいか、3つのポイントをお伝えします。

どこを見ると顧問先にとってプラスになるかを考える

経営者が気にしていることは、会社の売上が上がり利益が出ることです。つまり、決算数字を見ることが会社にとってプラスになると理解すれば、経営者はおのずと数字に関心を示します。
まずはどの数字から見ていけば良いのか。どの項目を比較していけば良いのか、ポイントを絞って伝えてみると、コミュニケーションがスムーズになるかもしれません。

顧問先の事業内容を深く理解する

以前ある経営者の方から、「顧問税理士が事業内容を理解せず書類上だけのアドバイスをしてくる…」という悩みを聞いたことがあります。
顧問先への貢献を目指すのであれば、顧問先の事業内容や業界特性を理解した上で、最適なアドバイスをすることが求められます。貢献を意識している税理士さんほど、実は顧問先への理解を深めることに多くの時間を割いているそうです。

顧問先にとって本当に”今必要な情報か”を精査して月次報告していく

試算表が実はよく分からないと漏らす経営者は少なくありません。
だからこそ、“今必要な情報か”を、話す前に精査してみてはいかがでしょう。税理士さんの中には試算表とは別に、説明資料を用意し、理解に努めているという方もいらっしゃいます。
このように、顧問先ごとに今大切な情報や、今知っておいて欲しい情報を精査することも大切です。

試算表の作成や決算報告は、税理士のみなさんにとっては通常業務の1つです。しかし通常業務だからこそ、経営者により良い形で提案することが顧問先への貢献に繋がっていきます。

まとめ

「この人だから任せられる」「この人だから相談できる」顧問先にそう思ってもらえるためには、特別な技術やノウハウが必要と思う方もいます。しかし実は、基本的な業務を正しく伝わるようにおこなうだけで、関係性はより良くなっていくものなのです。
どの数字が顧問先に役立つのか、顧問先の業界や事業内容を理解した上で伝えてみてはいかがでしょうか。

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世界一楽しい決算書の読み方
大手町のランダムウォーカー / 著 1,540円(税込)
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