【中小企業社長インタビュー】創業時からお世話になった顧問税理士を私が変えた理由

「リアル謎解きゲーム」の企画・制作・運営という時流に乗ったビジネスを展開する株式会社ハレガケ。「お祭りが日常に。」をタグラインとする同社の代表取締役を務める黒田洋介さんは、「税理士にいちばん必要なのはコミュニケーションスキル」だと話します。創業時からお世話になってきた顧問税理士を変えた理由や、顧問税理士に求めることを語っていただきました。

「会社の今」を知ることで打ち手の精度が高くなる

Q.貴社の近況について教えてください。

黒田:弊社は2013年に設立したイベントの企画・運営会社で、現在21名の従業員がいます。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボした「本屋巡りひらめきゲーム」や、東急沿線を舞台にした謎解きラリーといった「リアル謎解きゲーム」の企画・制作・運営を主業務としています。

Q.同業他社と比べてどんな特徴があるのでしょうか?

黒田:BtoBに強いのが弊社の特長です。この業界には、イベントを開催するための施設を所有して、そこに集客するスタイルの会社さんがあります。それに対して弊社は、先ほど申し上げた「本屋巡りひらめきゲーム」では書籍の取次会社様がクライアントですし、山手線を舞台にした謎解きラリーではJR東日本様がクライアントです。法人様向けにイベントを企画・制作するサービスを展開しているところが弊社の強みかなと思います。

Q.今の顧問税理士と契約を交わしたのはいつですか?

黒田:3年前です。それまでは個人の税理士事務所と契約していたのですが、会社の規模が大きくなるにつれ不具合が目立つようになりました。具体的には、前の税理士事務所は月次決算ができないほどマンパワーが不足していたため、会社が年間でどのくらいの黒字になるのかが期末が近づくまでわからない状態だったんです。これは良くないと思い、税理士事務所を変えることにしました。

Q.新しい税理士事務所はどうやって見つけましたか?

黒田:弊社はビジネスチャットツールとしてチャットワークを導入しています。チャットワーク社が提供する「ChatWorkコンシェルジュ」というビジネスマッチングサービス(現在はサービス終了)を利用して税理士事務所を探しました。

幸い、会社がある高田馬場に良さそうな税理士事務所が見つかり、①レスポンスが早いこと、②コミュニケーションスキルが高いこと、③こちらをフォローする体制がしっかりしていること、が確認できたので契約することにしたんです。その結果、月次で「今の経営状況」がわかるようになり、打ち手の精度が高くなったと感じています。情報をまとめて見やすい形で提示してくれるので、経営判断もしやすくなっています。

税理士には高いコミュニケーションスキルを求める

Q.Lanchor(ランカー)では顧問先の業績向上に貢献する税理士を「いい税理士」と定義しています。

黒田:「業績が向上している」という点で言うなら、結果的に今の税理士さんと契約してから業績は伸びているので、そういう意味では弊社の顧問税理士さんは「いい税理士」と呼べるのではないでしょうか。ただ弊社の場合は、仕入がすごく複雑とか元手に多額のお金が必要とか、財務的に複雑なビジネスをやっているわけではないので、どちらかと言うと今の状況をタイムリーにまとめて見える形で提示してくれることのほうが重要です。それをしていただいているので、とても助かっています。

Q.コロナ禍でイベントが開催できない時期があったと思いますが、影響はありましたか?

黒田:影響はありましたがダメージは少なかったと思います。というのも、イベントのほとんどが中止ではなく「延期」だったため、その時までの制作分の収益は確保できたからです。またコロナ禍になってから始めたオンラインの謎解きゲームビジネスが軌道に乗り、売上を支える柱の一つに育っていることも理由の一つです。これまではオンラインのレクリエーションのコンテンツというのは、ほとんどが受動的な「見るもの」だったのですが、弊社の謎解きゲームは参加者自身が体験できる点が評価されて今でも多くの引き合いをいただいています。

Q.顧問税理士からのアドバイスで印象に残っているものはありますか?

黒田:新規のビジネスを始めるのに、自社でやったほうがいいのか子会社を作ったほうがいいのかアドバイスを求めたところ、税理士さんからは後者のほうがメリットが大きいという話をいただいたので、子会社を作ることしました。つい先月の話です。

「いい税理士」とは経営判断に資する素材を提供してくれる人

Q.黒田さんが思う「いい税理士」の条件を教えてください。

黒田:僕の場合は簿記を勉強していますし、わからないことを調べるのも苦にならないタイプですので、税理士さんに相談することはあまり多くありません。税理士さんには「この会社ってお金の面から見た時にどうなの?」という現実を見せてほしいと思っています。社長である僕が自ら考え、経営判断をするための素材を提供してほしいんです。それができる人が「いい税理士」だと思います。

Q.もし新しい税理士を探すことになったとしたら、何を重視しますか?

黒田:コミュニケーションのしやすさですね。こちらの意図が伝わり、それを考慮したうえで答えを返してくれる人にお願いすると思います。あとはチャットワークをはじめとするビジネスチャットツールに対応している人は歓迎します。メールだと時間がかかる傾向がありますし、電話だと話した内容の履歴が残りません。その点、ビジネスチャットツールはコミュニケーションが迅速にできますし、後々、見返せる利点もあります。そういうツールを使いこなせる人だとベターです。

Q.顧問税理士には自社のビジネスを理解してもらいたいと思いますか?

黒田:細かい点まで理解する必要はないと思いますが、どういう商流になってるかがわかっているほうが話が早いとは思います。

Q.顧問税理士の事務所は会社から近いほうがいいですか?

黒田:弊社では損益計算書を社員に公開しているのですが、以前は公開することによる社員への影響が分からなかったこともあり非公開でした。弊社の会議室では話している声が外に筒抜けなので、月次決算のたびに僕が税理士事務所を訪れていたこともあり事務所は近いほうが良かったんです。でも今はオンライン面談を行うようになったので立地は関係なくなりました。また損益計算書も隠すことがなくなったので、月次決算での報告を社員に聞かれても困ることはありません。

Q.損益計算書を社員に見せているのはなぜですか?

黒田:「経営者目線を持とう」と言う社長はよくいますが、そのためには売上がどうなっていて、自分の活動が売上にどう紐づいているのかを理解しなければなりません。さらに言うなら、僕らは営業利益の特定のパーセントをボーナスとして還元する運用をしています。会社の現状が見えて、うまく行ったときにリターンがあるという流れが見える状況を作りたかったので損益計算書を公開することにしたんです。もっとも、細かい数字までは出していませんが。

Q.今後の目標を教えてください。

黒田:弊社の企業理念は「We are Hero Makers 〜参加者、クライアント、パートナー、メンバーが才能を発揮する舞台を提供する〜」というものです。これをゲームの参加者やクライアント、メンバー、パートナーなど全員に対して提供し続けることが大事だと思っています。

今できている部分とできていない部分があるので、できている部分を増やしていきたいと社員一同、考えています。そのための一つには少しずつ会社が成長していくことが重要で、去年より今年、今年より来年のほうが良くなっていくことが理想です。そうなると社員は自社に対して安心感や希望を持って働くことができます。僕の役目はその舞台を整備することだと思っています。

*      *      *

「税理士さんとの会話を社員に聞かれても困ることはありません」と語る黒田さん。財務状況をオープンにすることで、会社の業績向上に貢献したいという意識を社員が持つように促しているのです。そんな黒田さんが税理士に求めるものは、一にも二にもコミュニケーションスキル。特にチャットなどのITツールとの親和性の高い人を歓迎すると言います。

「リアル謎解きゲーム」という時流を捉えたビジネスを加速させているハレガケ。その成長は、ITリテラシーの高い顧問税理士によって力強く支えられているようです。

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取材協力 株式会社ハレガケ

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